感想・小説編。

決めろ! 最後の大逆転 新ソードワールドRPGリプレイ集5

著者:秋田みやび

出版元:富士見ドラゴンブック


へっぽこ冒険者のSWリプレイ、第2シリーズ突入となる5巻目。おやっさんクソガキがパーティから抜けて、あらたにアーティストエルフフェチが参加しました。…はて、間違った紹介はしてないハズなのに、なんだろうこの言いしれないモヤモヤは。

そんなこんなで、パーティ構成も新たに次なるステップへと進むことになった彼らですが、「へっぽこ」はいつまで経っても「へっぽこ」でしたとさ(完) イヤしっかし何でしょうね。彼らのヌケっぷりときたら、もはや職人芸とでも言うべきレベルの完成度にさえ見受けられるよーな気が。普通SWで初期から成長させて5レベルまで来たとなったら、それこそワリと冗談抜きで「熟練の冒険者」と言ってイイくらいですよ。本来はな。それが連中ときたら、新パーティ結成から早々ミッション失敗かますわ、バルキリージャベリンが怖いからって依頼の解約を本気で相談するわ。アンタら前の巻でデュラハン倒したのは幻覚か(笑) そりゃまぁ確かに、バルジャはなまじ攻撃魔法だから誰でも食らう危険あるし、実際やられたらマジで即死もありうるよーなレベルの脅威ではありますが。にしたってちとビビリすぎだろー、と。第13話のミッション失敗も、どーしてその事に思い至らなかったのやらと、ハタで見ててホントにおマヌケです。トンネルなんて、以前に使われたことあるのにさぁ。

彼らの冒険は、こーやって読んでいて実際にSWを(TRPGを)やりたいと思わせてくれるくらい、楽しいセッションを描いてくれてはいるんですが…「冒険者のありかた」としては、手本にするのはあまりオススメできない連中かもしれない、とはぶっちゃけ思ってしまったり。どうしてこう、もうチョイどーんと構えるとかできねーんだ、この人ら。まぁ、それゆえの「へっぽこ冒険者」なんでしょーけど(笑) 得に継続組のウチのひとりなんて、骨の髄から庶民派だしなー。なんで冒険者なんて商売やってんだよ(苦笑)

あと今巻は、リプレイシリーズ上の実質的な初セッションである第ゼロ話も収録されてますけど。「へっぽこ」はイチバン最初っから「へっぽこ」でしたとさ(了) コレはまだミッション失敗ではないからOKですけど、それでもさっそくノリスが石化でリタイアしちゃってるし。てゆーか、このパーティにとってはハナっから彼はクソガキなんだな(笑) あとこのエピソード、アニメ版の『魔法戦士リウイ』を観ていた自分にしたら、アニメでのバックでこーゆー騒動があったと考えると、密かにユカイなものがありますな。武闘場でアイラが剣を投げる直前まで、実はへっぽこ達が一緒にいたんだなーとか、ね。



▽自薦名場面 ― 70〜71ページ

 バス まあ、もしかしたら、周囲に隠れていた伏兵が顔を出すかもしれませんからな。一度歌い出したものは最後まで歌いましょう! ”キュアリオスティ”フルコーラス!(ころころ)14の出来栄えですぞ。

 ヒース (ころころ)……ああ、何故だろう。いつもバスの歌は聞いているはずなのに、こんなに聞きたくなるなんて……と言いながら、ふらふらと扉へと戻るぞ(笑)。

 イリーナ (ころころ)……本当です、ヒース兄さん。何故か、今日の曲は、一段と抗いがたい力があるような気がします。ふらふら〜〜(笑)。

ここの場面を選ぶなら、やはり挿絵も一緒にしなきゃな。つーかマジで、熟練の冒険者だったら味方の撃った精神攻撃くらい抵抗しろや(笑) 14を相手に出目なんぼ振ったんだよ4レベルと5レベル。続くエキューのセリフじゃないけど、ホントお約束を外さないなぁコイツら…



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2006/08/18