感想・小説編。

目指せ! 奇跡の大団円 新ソードワールドRPGリプレイ集3

著者:秋田みやび

出版元:富士見ドラゴンブック


SWのリプレイ第3巻。そーいや、この頃はまだ『へっぽこ』っつーパーティーの通称が、付いてなかったのだねぇ。あとがき読んでて気が付いた。

この巻に収録されてる7〜9話は、話の中身が連続しているシナリオ、いわゆる「キャンペーン」の形式で進行してるワケでして。ワリに話数重ねてるのに、まだ”続き物”のシナリオをやってなかったとは、なんだか意外な感じですね。いちおう2巻の5〜6話がひと繋ぎのシナリオだったケド、アレはむしろ前後編みたいな構成だったから、キャンペーンとはチョイと毛色が違うしな。ともかくも、キャンペーン。各シナリオで起こした行動によって次のシナリオの内容に影響が出るようにされているところには、続き物のセッションを遊ぶ楽しさ、キャンペーン形式の面白さを表現してくれてるような感じがあります。んで、過去のシナリオに登場したキャラクターを再度登場させたりするところには、セッションを重ねてきたことでアレコレと作られてきた”積み重ね”を感じられて、この部分にはまた複数の話数をこなすことによる、TRPG自体の面白さを感じられます。そんなワケで総じて見ると、やはりこのリプレイシリーズ、TRPGというゲームの面白さを良いカタチで読ませてくれてる印象がありますね。にしても8&9話、アルラウネチビーナが誕生することになったのって、GM的にはまさしく”棚ぼた”な展開だったろーな(笑) ハプニングではあったろうけど、おかげでさらにオモロイ方向に行ったんだから、これはコレで結果オーライってヤツか。

シナリオを重ねただけあって、この巻あたりからキャラのレベルもそこそこに上がって、戦闘なんかも見栄えが上がってきましたね。魔法のバリエーションが充実してきたあたりに、主にその傾向が見られますが…そんな中でひときわ目立ってるのが、言わずとしれた怪力重戦車娘・イリーナ。必筋24のグレートソードに、さらに加えてプレートメイルまで装備したその力は、まさにフルアーマーと言わんばかりの出で立ち(笑) なんせ攻撃すれば素で大砲級の威力が飛び、反対に攻撃されてもめったにダメージは通らない、と来た。ホント、魔法攻撃さえ除けばほとんど反則みたいな強さだもんなぁ。しかも、パーティーの支援魔法も高レベルなヤツがいくようになったから、全力でドーピングすればまさに無敵。コレ相手にして戦闘バランス取るGMも大変ですな。ま、反面おかげで戦闘シーンがハデになったから、読み手にとっては面白くて、そのへんはどっこいどっこいってトコなのかも。



▽自薦名場面 ― 112ページ

 GM えーっと、戦いの光景はすぐに見えてきます。大きな岩が転がる崖の上に、ゴールドらしき軽装の男が短剣を構えていて、後ろにギルを庇っています。その前には戦士が3人。2人が攻撃をしていますね。

 ガルガド な、なんていい奴だ……注意を惹くために声を出してつっこむぞ! マイリーは我にありぃぃ!!

 GM (すいません、怖いですガルガドさん……)

戦神マイリーの神官戦士・ガルガド走るの図(笑) てゆーかこのガルガドの叫び、個人的にはこーゆーイメージがブチ切れたマイリー神官戦士にあったから、なんかナイスなロールプレイに感じてたりして。にしても、そんなに有能な盗賊が欲しかったのかガルガドさん… 相手がNPCだっつーことをカンペキに無視、いや、忘れてるよなー ( ̄▽ ̄;)



第4巻>

<第2巻


<<ノベルレビュー



2005/07/23