感想・小説編。

つかめ! 明日の大勝利 新ソードワールドRPGリプレイ集2

著者:秋田みやび

出版元:富士見ドラゴンブック


テーブルトークRPGのリプレイ文庫第2巻。にしてもこのシリーズ、サブタイトルが本の中身に一切反映されてねーのな(笑)

アッサリと述べますと、引き続き面白いですな。なんつーのか、前巻にも増して各人物のキャラクター性…いや、言葉を正確に使えば”演技ロールプレイ”ですかね?、ソレがはっきり立っていて、実に個性豊かに立ち回ってくれてます。そこがなかなかにユカイで楽しいワケでして。TRPGとか関係なく、フツーに「読み物」として面白いです。まぁぶっちゃけたハナシ、そのへんのキャラ立ちってやっぱ、各プレイヤーがプロの作家さんだからってのと、商業出版作としてセッション内容を上手く編集しているからってのとが理由として強いんだと思いますが。まーホントは単なる”心がけ”の問題なんですが、演技することロールプレイに気を配ってセッションするったって、そんなキッチリできるもんでも無いですからねー。どーしたってプレイヤー本人の”地”は出やすいからなぁ。ま、そのあたりのバランスを上手くいじって「読み物」として出すのはやはり、商業のTRPGリプレイ本の強みであり良い点なんだと思います。

なんか分析じみたレビューになってるので、普通に本編の感想をば。まずはやはり、後々の語りぐさ(笑)にもなるティソダー事件。赤貧娘・マウナの七転八倒ぶりが見所ですな。にしても普通にこのシナリオ見てると、この流れでセッション成功に持ってくのは単純に大変だろーと思いますね。事件解決へのモチベーションが上がらなくっても仕方ないよなぁ。まぁそこらへんのシナリオ内容を、プレイヤーの活動に合わせてリアルタイムでチョコチョコ変化させていけるのがTRPGというものだと考えると、意外とTRPGの特徴みたいなものが垣間見えるシナリオなのかも、なーんて。あとは、怪力娘・イリーナのグレートソード騒動ですか。「筋力:24」てホント素で怖ぇわ(笑) イリーナの場合、あんまし攻撃が当たらないからまだゲームバランスが成り立ってる、みたいな部分がある気がしますねぇ。これで器用度高かったりしたら、確実にバランス崩壊するよなぁ。ちなみにSWを知らないヒトに「筋力24」というステータスの驚異度を説明すると…そうですねぇ、『ドラゴンクエスト』で例えれば初めっから「ちから:255」のキャラがパーティーにいる、とでも思ってもらえばそう間違ってはいないか、と。たとえ装備が『ひのきのぼう』でも殴ればウン十ダメージ、とかそーゆーレベル(笑)



▽自薦名場面 ― 253ページ

 イリーナ ふっふっふ、合計ダメージ、44点ー!

怪力娘の超絶クリティカルダメージ。今回のコレ、記憶(あるいは記録)に残るってイミではワリとまっとうな名場面選出ですねぇ。ちなみにこれまた分かりやすく例えると、会心の一撃で700〜800ダメージを出した(ドラクエなのに、みたいなもの。しかもバイキルトとか一切使わずに、とゆーハナシ。こーゆーコトが起こりうるのが、サイコロの神の気まぐれってヤツだよなー(笑)



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2005/04/30