感想・小説編。
マリア様がみてる いばらの森
著者:今野緒雪
出版元:コバルト文庫
シリーズ3巻目。赤・黄ときて、今回は白薔薇さまがメインのお話、プラス白薔薇さまが"主役の"お話。……三色キレイに並んじゃってまあ(笑) このへんからですねぇ、比較的読んで"フツーに面白い感覚"になってくるのは。私は本シリーズを学園コメディものとして楽しんでるのですが、本巻からその傾向が強くなってるような感覚です。いやホント、世間的には マリみて=百合ぎみの女子校物語 なんでしょーが、自分的には マリみて=女子校コメディ なのですよ。それも、さらに言えば『出来の良い学園コメディ』ぐらいの立ち位置。私の場合、学園コメディが読みたくなったら本棚からマリみてひっぱりだす出す、みたいなコトやってるしな。めったにいない読者だと思うが。んで、今回レビュー用に読み返してて改めて気付いたのですがね。オレがマリみてを学園コメディものとして読んでる原因っておおむね白薔薇さまと由乃のせいだ。前者は今回のメイン扱いだから普通に出番多いし、後者は前巻で心臓治して以来暴走っぷりが増したから活躍が目立ってきたし。とりわけこのふたりが作中で好きなキャラ、とゆーワケでもないのですが、どーも作品イメージを形作ったのは私の場合、彼女らにその要因がありそうです。あとまぁ、その他だと挿絵の効力ですかね。全体的に挿絵自体がコメディ色強いしなぁ、この巻。 それはソレとして。後半『白き花びら』は、シナリオの内容自体がそう…でもあるけれど、シリーズ全体から見てもかなり異色の内容ですな。前半『いばらの森』とは"ノリ"が一気に変わるし、挿絵も一切無しときた。"賑やか"な前半と比較して、どんどん"内にウチに入り込む"ような後半という、このギャップ。でも、こういう2作を1冊にまとめられるフトコロを持っているのが実はマリみてシリーズの特色なのかもなぁ、なんてな風にも思います。つーか、後半は後半でシッカリ面白いんですケドね。彼女のような、普段から"ポーズ"決めてるタイプの人間って、表面と裏腹に内側では色々あったりするものですが…あんだけの過去がありゃあなぁ、そのあとに『イイ女』に変わっていったとしても、そら不思議じゃぁねーわ。まー彼女の場合は悪い方向に変わりすぎだが。セクハラは止めれ(笑)
「あなたには私がいるでしょう?」 うちひしがれた聖に与えた先代白薔薇さまの一言。抜粋するなら、ここから続く一連の会話が『自薦名場面』なんですが……あえてアレコレ申しません。ひと言で評するなら最強のセリフ。そりゃ涙も引っ込むわ、というもの。 |
2005/02/11