感想・小説編。
マリア様がみてる 黄薔薇革命
著者:今野緒雪
出版元:コバルト文庫
マリみてシリーズ2巻目。黄薔薇ファミリー…とゆーか、そのうち下ふたり姉妹が起こしたひと騒動のお話、ですかね。 率直に言うとまだ読みにくい。ま、面と向かってストレートに勧められんというか。今回スポットの当たるキャラふたりがそういう傾向なモンだから、どーにもこーにも百合度が高いワケであり。ご覧のとーり私はマリみてをフツーに読んじゃってる側の人間だから、読中はそんなに気にしてたりするでもないんですが。でも自分の中の『判断基準』と照らし合わせると、やっぱりキビシいラインに入るんですよねコレが。 物語自体は実は全然大したことなく、とある姉妹――当人達の意識としても『姉妹』じゃなく『姉妹』なんだろーな――が起こした姉妹ゲンカを、周りが色々動いてどーにかしたりしなかったりするという、なんてのかホントにフツーの日常物語。でもソレが、別につまらないワケでなく、巧みに描かれてる。やーホント、今野さんは作劇が上手いなぁ、というイメージが強いですね自分の中じゃ。まぁ大したことないお話だとは言いましたが、今回の話の『核』である「相手のためにも、そして自分自身のためにも”先”に進むため何かしようと頑張る」という、由乃と令の描写は「純粋に良いなぁ」と思います。きっかけはどうあれ、相手と自分のために何か動こうというその姿勢自体には好感さえ持てます。章題から取るワケじゃないけど、「戦う乙女」、いーじゃないの。そういうの好きっすよ、えぇ。 あとほかでツッコミどころがあるとすれば(←あるのかよ)挿絵でしょうかね。123ページの黄薔薇さまはトレードマークのヘアバンドが無いせいで「アンタ誰?」とかってハナシだし。49ページの蔦子なんかもあまりにもダメ人間くさくてむしろステキですナ(乾ききった笑み)
「じゃあ、私たちはただのお節介だったというわけね」 すねたように祥子さまが言った。令さまを捜し回って、叱咤して、薔薇の館に連れてきたことが、ただの骨折り損のくたびれもうけ。 「友達なんて、そういう損な役回りを引き受けるためにいるようなものよ」 祥子のグチ(?)を受けて紅薔薇さまが返したセリフ。んー、つーか今回の場合は『名場面』でなく『名ゼリフ』だな。ソレが全てでもないけれど、実際友達なんてのはそんなモンかもな、などと共感してみたり。なんにせよ、なんか「分かってんなぁ、ロサ・キネンシス」とか勝手に思っちゃうワケですよ(笑) |