「ごきげんよう」 「ごきげんよう」 さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。 マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。 6ページ 本編 序文より
とワケの分からん感慨に浸りつつ、マリア様がみてる(以下、マリみて)の第1巻の感想でゴザイマス。コバルト文庫の出版作でゴザイマス。説明するまでもなくおんにゃのこ向けの小説でゴザイマス。………言うな! 皆まで言うな! アンタらの言いたいことは分かってるサ! いい年こいたヤロウが何の小説の感想書いてやがると思ってるんだろうサ! あぁそうさそのご意見はもっともサ! でもな! ……面白いんだよコレが(←なんか遠い目をしながら) やはり流行るモノには流行るなりの”もの”があるんですねぇ、至極普通に学園ものの小説として十分楽しい作品です。劇中での起承転結をとても上手く盛り込んでるおかげで、文庫一冊250ページを飽きることなくサックリと読み切れます。ひとえにコレは作者の小説家としての手腕でしょうね。舞台的にもストーリー的にも実はそう大したことでもない――ハズなのにこの作品、それを面白く読ませるだけの文章力があります。実際、HILOの姉がコバルトフリークで今野さんの著作をいくつか持ってるんですが、以前ちょろっと訊いたところじゃやはり他の作品も面白いそうで。(※さすがに自分で読んではいません。あと姉はマリみて未所有。ただ評判だけは知ってるそーな) とゆーワケで学園ものライトノベルとしてフツーに良い作品…なんですが、一般受けするかを問えば確実にソレはないな。(断言) いやまぁコバルト小説だって時点ですでに一般受けは難しいし、なんのかんの言って話の根っこが百合ってのもあるんですが、それよりも物語の描写がやたらと雅やかだったりするトコに原因があるかと思いまして。続巻からは徐々にそういう雰囲気なくなるんだけど、改めて読むに1巻だけみょ〜にそういう部分が強いんですよねぇ。てゆーかなんか登場人物のほとんどがネコ被ってるようにしか見えないのは何故。単にまだスポットが当たってないせいだとも言えるんだが、でもやっぱみんなセリフとか妙に大人しくしてるようにしか見えねぇ ( ̄▽ ̄;)
「ありがとう」 祥子さまは、やがて真顔で言った。 「いまの私が笑っていられるのは、祐巳のお陰よ」 ひと騒動もようやく収束したその後に、ふと、もれ出るように祥子が言った言葉。この「あなたのおかげで笑っていられる、だからお礼を言いたい」っていう状況、なんか普通に素敵だなぁと思ってしまうんですよね。本音を言うとこのあとに続くロザリオ受け渡しの部分まで含めて好きな”場面”なんだけど、さすがに全部入れるのは長いので。 |