感想・小説編。
フルメタル・パニック! 安心できない七つ道具?
著者:賀東招二
出版元:富士見ファンタジア文庫
フルメタの第13巻目、短編の第7巻目。ま、悪いイミでなく毎度おなじみのギャグの回、って感じか。 んで、感想本文は悪いイミで毎度おなじみに書くことに窮する日々なワケですがっ!(←がっ!、でなく) まぁ、そこんトコは単に私の"スタンス"に問題があるだけで、作品自体はやはり笑えてベターに面白いのですけれど。なんか、今回読み返してたらワリと声に出して笑うことが多かった気がするなー。こーゆー部分のクオリティの維持については、本作は感心してしかるべきトコロかもしれませんね。つーかアレだ、作者あとがきじゃーないけど確かに、いつのまにやら陣高も変人がやけに増えてきたよなー。なんかスッカリ、宗介が「数ある奇人変人の中のひとり」って程度になってきてるし(笑) あと、今になって読むに時代の流れをビミョーに感じなくもない描写があったりするのも、この巻のある種の特徴かもしれませんな。かなめの33ページのセリフとか、141ページのサップ様(笑)だとか。チョットずれたトコで突くと、かなめが相変わらずPHSを使ってたりとかね。今もう実質的に"無い"もんなぁ、ピッチなんて。まぁそもそも、シリーズが開始したのって98年ですからねぇ、もうしばらくでシリーズ10周年にもなるとなりゃー、色々と時代を感じるのも当然とゆーか。でも、これで作中の時代設定は変わらず98〜99年って事で通ってるからなー、気にしなけりゃイイことではありますが、多少は時代描写の齟齬を意識してしまうトコもあったりなかったり。ま、作品の面白さについてサッパリ関係の無い要素ではありますが。
「孝太郎くん……いいよ」 たちまち、孝太郎の脳髄が真っ白になった。 いいよ! いいよ! いいよ、である!! なにしろ、いいのである。男が備えるあらゆるリミッターを、解除しても構わないのである。ビースト・モードにトランスフォームしてもいいのである。ここに至っては、遠慮会釈もいらないのだ。もう、あとは好き放題でOKなのだ! マスター・アーム、オン。シーカー作動。エンジン出力をミリタリーからマックスへ。レティクルとベロシティ・ベクターが激しく動く。下腹部をGが襲う。ハイ・ヨーヨー起動。敵機を捉える。標的をロック。フォックス2(意味不明)。 「失礼しまっす!」 鼻息も荒く、孝太郎は空条久美を押し倒した。 もう、だれも俺を止められない。ついにここまで来た。ガッコのバカどもに、決定的な差を付けるときが、いま、ここに! 俺はこれから、大人の階段を怒濤となって駆け上がるのだ! 中学時代の恩師の木内先生、見ていますか。俺はこれから、人生の新しいステージを迎えます。孝太郎は、孝太郎は、立派な大人になります。 男・オノD、熱くも激しい栄光の道へと踏み出す!!(←大げさ) このシーンはもう、なんの説明も必要なかろーて。なんつーかもう、圧巻だよな(大笑) 賀登さんも、この場面の執筆については、もの凄いイキオイでキーボードが走ったか案外苦労したかのどっちかしか無いだろーなー。つーか、コチラは書き写すのワリとラクだった、ってよりかなり楽しかった(笑) |