感想・小説編。

フルメタル・パニック! あてにならない六法全書?

著者:賀東招二

出版元:富士見ファンタジア文庫


フルメタルパニック、通算11巻目、短編6巻目。いつものギャグ短編6本と、加えてミリタリ・メカニック関係の設定書きを収録。自分は何気にSFとかに関して設定オタクの”きらい”があるので、こーゆーのはけっこう好きだったりして。ASの歴史設定とか、面白いよ、ウン。

まぁギャグ回については相変わらず書くことが無いのでサックリと流していこうと思う次第でありますが。……イヤね、別に私も毎回々々なんも考えないでこー言ってるワケじゃないのですよ。いちおー感想らしい感想を書こうとは考えてるのですよ。でもねぇ、やっぱ「ギャグ」を相手に取るとどーにも感想って書きにくいのですよ。一部のコミックレビューみたいな、収録話ごとに感想書く形式でやればソレがベター(まぁベストではないよな、この手段)なんでしょーが、ソレにしたって「ココがウケる。おもしれー」程度にしかなりようがないですし。イヤハヤ、難しいなー。この辺、自分のレビュー執筆に対する意識改革でも起こればどーにかできそうなモンなんですが。とりあえずこの巻は、こーゆー形式の作品にとっては一種の”お約束”と言える、作品内キャラミックスの『女神の来日(受難編)』がメイン、といったトコでしょうかね。アニメ版ではちょろっと描写されてたけど、生徒会のメンツとテッサが会合する『巨頭会談編』が個人的には読んでみたいなー、と。せめても林水はやしみず先輩、彼女がタダの留学生じゃないってぐらいは見抜きそうだよなぁ(笑)

あー、少しアニメ版について触れたので、正直ノベルレビューで書くこっちゃないですが、少々アニメ(フルメタルパニック?ふもっふ)のコトでもしゃべくろーと思うのですが。(←果てしなくヤル気が見えないのはどうなのか) 何気にアニメ化されたエピソードの多いこの巻、個人的にイチバン気に入ってるのが『ままならないブルー・バード』だったりしまして。41ページ・「俺には無理だ」と52ページ・「ホントにわからないの?」の各セリフでの声優の演技は、ホント素晴らしいほど。得に後者なんて、この場面をやるためにかなめ役に選ばれたじゃないかと思わせるほどの名演でしたねー。小説でも場面的に「千鳥かなめならでわ」と言うようなシーンですが、ソレを演技・演出で完璧以上に表現してみせたアニメ版は、これこそ「名場面」と言えるモノ。機会があれば、ぜひDVDをご覧ください。



▽自薦名場面 ― 161ページ

 「なんの資料だ?……『世界の拷問ごうもんテクニック』か。くだらないものを読んでいるな、おまえは」

 脱力感で腰がくだけそうになるところを、かなめはなんとかこらえた。監督の方を盗み見る。彼は身振りで『続けろ』と告げていた。

 「っ……。ば、馬鹿にしないで。わたしはこの本が好きなの。そもそも、そういうあなたは、こんなところに何の用?」

 「俺か。『図解・大量殺戮さつりく兵器』という資料を探している。核兵器や細菌兵器の情報を収集しているのだ」

 「えっ? その本、わたし大好きなの! あなたも?」

 「肯定だ。おかしいか?」

 「ううん……。わたし、てっきりコウスケくんってその手の本、嫌いなのかと思ってた」

 「俺も意外だ。君が中性子爆弾や神経ガスに関心を示すとはな」

 「もうっ。そういう世界に憧れちゃいけないの? わたしだって普通の女の子なんだよ?」

 「そうか。では同じ著者の最新刊『エボラ・ウイルス/軍事利用の恐怖』は読んだか」

 「うん! 読んでてすっごい、わくわくしちゃった。とっても幻想的だよね。頭の中でその場の景色が色鮮やかに浮かんでくるみたいで――って、いい加減にしろっ!!」

 がっ!!

 かなめの真空飛び膝蹴りを食らって、宗介が書棚に激突する。

何気にかなりめずらしいカナちゃんのノリツッコミ(←違。) 蛇足なのでラストちょっと切ってみました。でも長かったー(微疲労) まぁ、想像力豊かな女の子ってのもそれなりに魅力的とは思いますが……さすがにエボラウイルスの光景を色鮮やかに思い浮かべる娘はヤだな ( ̄フ ̄;)



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2006/08/16