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感想・小説編。

フルメタル・パニック! 同情できない四面楚歌?

著者:賀東招二

出版元:富士見ファンタジア文庫


短編4巻目。ギャグだけ…ってのとも路線違うよなー、この巻。

そんな感じで、「追憶のイノセント前・後編」は、短編シリーズではワリと異色気味な非コメディのお話。って、非コメディってどんな言葉よ(セルフツッコミ) まぁ、シリアスってのともなんとなく違う気がするので、こんな表現でひとつ。このお話、コメディを中心にしていない点では確かに異色ではありますが、実際読んでもそれほど違和感無いってのが正直な感想でしょうかね。たしかにコメディ色は薄くありますが、そーゆう見方を除けば、あくまで学園という舞台設定でやってる物語のひとつですから。短編シリーズの『学園モノ』という側面から見れば、むしろ至極真っ当な作劇であるワケで。色々なことが次々に起こっては過ぎ去っていく、そんな青春時代の楽しくて悲しい1ページ。何処か誰かが書いた歌詞のように、ノスタルジックに終わっていくひとつの物語。やっぱこーゆうヤツは、学園劇でやってこそ、だよねー。

あぁ、いちおう他の感想も少々。贈呈品のサザエをイキナリ黙って食うかなめはさすがにどーかと思う。あと、収録ラストの「エンゲージ、シックス、セブン」、よくよく見たら本全体の半分近いページ締めてんのな。掲載雑誌は読んだこと無いから、書き下ろしとか言われてもピンと来ないけど、それにしたってずいぶんな分量だねぇ。長編サイドの舞台設定でお軽い感覚の話ってことで、これはコレで読みやすくて面白かったり。



▽自薦名場面 ― 120ページ

 そのベランダからは、陣代じんだい高校が鮮やかに一望できた。

 グラウンドでは、野球部とサッカー部、そして陸上部が練習に励んでいる。校庭の隅では、ラガーシャツを着た男たちがいそいそと掃除をしていた。テニスコートでは、女子生徒の一団が明るく笑っている。

 校舎の中もよく見えた。

 教室で数人の男子生徒が、ふざけあっている。プリントを抱えた女性教師が、廊下で転んで書類をぶちまけ、そばにいた同僚に助けられていた。屋上では一組のカップルが仲睦まじく、西の夕陽を眺めていた。

 そこは――世界で一番平和な場所だった。

日本全国どこにでもありそうな、ごく普通の高校の、ごくありふれたひとつの風景。でもその様子は、確かに紛れもなく”世界で一番平和な場所”の眺め。ありふれた何気ないことの中にある良さって、こーゆうことを指すのかね。にしてもなんだろ、こーゆうの読んでると我ながら年食ったこと実感するな!(大笑)



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<長編3巻


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2005/07/12