×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。



感想・小説編。

フルメタル・パニック! 揺れるイントゥ・ザ・ブルー

著者:賀東招二

出版元:富士見ファンタジア文庫


長編の3巻目。海上スリルパニックな話。まぁ、海上とゆーか海中とゆーか実際には潜水艦の中での出来事、ですが。

簡単に感想を述べますと…2巻の時よりも全体的な作劇がどっしりしている、ってな感じですね。別に前回がアッサリしてたってワケでもないんですが、今巻は「潜水艦トゥアハー・デ・ダナンの活動」や「ミスリルとしての作戦行動」、「アームスレイブ同士の戦闘」など、本作の基本であるミリタリーアクションが作劇のメインになっているため、そーゆう観点からでは見応えがずいぶん上がってます。フルメタシリーズの長編って、「トンデモ」とまではいわないけれど、「あり得そうであり得ないレベルの超兵器」による戦場の描写(さすがに”戦争”じゃあねーやな)に”華”があると思っているので、この巻はAS戦の他にも潜水艦同士の水中活劇(?)なんかも盛り込まれているから、ページの数量こそあれ見応えが十分にあります。ま、そういいながら、その上での登場人物達のドラマにこそ魅力が詰まっているのが事実なんですがねー。なんだかんだいっても、ハッタリ兵器バトルを見るのはやっぱ面白いよな、と。ええ。

ちょっとズレた感想。この3巻、先々のストーリーに繋がる伏線が、ホントにわずかに微妙に組み込まれてたりしたのが、今回再読してみてなんとなーく感じ取れたよーな。イヤまぁ、ホントに微妙で、むしろ我ながら「深読みしすぎじゃねーか?」とも思うような部分部分のアレコレですが…このレビュー書いてる時点で解消されてるのも、まだ未解決なのも含め、この中に今後からラストまでの物語のヒントが隠されてるかも、と思うとそれはソレでなんだか少し面白いような感じが。

かなりズレた感想。ワリと賛否の分かれてる(てゆーか私の友人のひとりからはかなりの酷評をもらってる(乾笑))本作のアニメ版・第1シリーズですが。私個人は、この巻中の内容がけっこう気に入ってたりします。この巻の、っつーかもっと細かく言えば330ページから先、アニメ最終回2話分の中の作劇ですかね。映像演出とか、とりわけキャラの感情描写が、原作よりも拡大解釈的にやっていてソコがワリと良かったな、と。ま、第1シリーズは確かに、演出とかで見劣りする部分が悲しいかな多かったけどなー。でもオレは好きだったなー。



▽自薦名場面 ― 349ページ

 もう、認めなければならない。

 ガウルン。俺は貴様が恐ろしい。

 三年前、貴様は俺から何もかも奪った。電気屋のハミドラー。勇ましきムハンマド。皮肉屋のハリリー。たくさんの仲間たち。そして、俺に戦いのイロハを授けてくれた、あの老戦士――ヤコブ。

 すべて貴様が殺した。あのとき俺は、はじめて『喪失』というものを知った。

 貴様の前に立つと、俺は脚が震えるような気がする。『もう、たくさんだ』と思う。逃げ出したくなる。

 そうだ。

 そしていま、貴様はふたたび、俺から何もかも奪おうとしている。クルツ、マオ、ヤン。テッサ。たくさんの仲間たち。そして――かなめ。すべておまえが、殺そうとしている。

 だが、それだけは許容できない。

 わかるか。

 それだけは、絶対に、許さない。

 だから――

 「貴様は、殺す」

1ページ丸々使った宗介の独白ですね。正直長いわ。でも丸ごと載せたわ。(大笑) かつて自分に守れなかった大切なものと、いま自分の目の前にある守りたい大切なもの。それらに同様に立ち塞がるその敵を相手に強く思った、「今度こそ守る。だから殺す」という意志。それは、何処か後ろ暗くて正しいとはいえない感情かもしれないけれど、それでも強く込められた”思い”がそこにはあって、そして私はそれが好きだったりします。



短編4巻>

<短編3巻

<<ノベルレビュー


2005/06/04