感想・小説編。

フルメタル・パニック! 本気になれない二死満塁?

著者:賀東招二

出版元:富士見ファンタジア文庫


シリーズ短編第2巻。フルメタ短編らしく、ひたすらコメディ、ですな。………。やっぱギャグもの相手だと語ること無ぇなぁ(笑(ごとじゃないのでは)

と、そんな2行でレビュー終わってしまってはどーしよーもないので(←いやホントにな、多少強引にでも話題を作りましょうか。「連作の短編」として本巻を振り返りますと。林水はやしみず会長に阿久津万里あくつまり、もっと他ではボンタくんなど、短編サイドのレギュラーキャラが増えてきて、にぎわいが増してきたような雰囲気がありますね。まぁ会長は1巻からすでに登場してるけど、”キャラが立ってきた”のはこの巻からかな、という気がします。あと同様に、長編サイドの登場人物(&世界設定)を扱ったコメディ話も収録されるようになったのが、やはりこの巻からでありまして。そんな感じで全体を総括するに、フルメタ短編シリーズの”ベース”が固まってきた、とゆーのが2巻の特徴(?)のような気がします。以上、ヘリクツ終わり。

あ、ヘリクツでないハナシをひとつ。2巻収録の『罰当たりなリーサル・ウェポン』って、短編中ほぼ唯一となる冬が舞台のお話なんですよね。続巻で残された「短編の作劇構想は長編と無関係ではない」という賀東さんの言葉通り、後々の作中で”そうなる必然性”が生じたワケですが…それ踏まえると、この回なかなか興味深いモノがあったり無かったり。



▽自薦名場面 ― 158〜160ページ

 「いまこの時をもって、貴様らはウジ虫を卒業する。貴様らはラガーマンだ」

 『サー、イエッサーっ!!』

 地も割れんばかりの声で、郷田ごうだたちがこたえた。

 「さて……貴様らはこれから、最大の試練と戦う。もちろん逃げ場はない。すべてを得るか、地獄に堕ちるかの瀬戸際だ。どうだ、楽しいか?」

 『サー、イエッサーっ!!』

 「いい声だ。では……」

 (描写文略)

 「野郎ども! 俺たちの特技はなんだっ!?」

 『殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!!』

 「この試合の目的はなんだっ!?」

 『殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!!』

 「俺たちは学校を愛しているか!? ラグビーを愛しているか!? クソ野郎ども!!」

 『ガンホー!!ガンホー!!ガンホー!!』

 「OK! 行くぞっ!!」

 (描写文略)

 「これって一種の悪質な洗脳だよね……」

余計なこと言わんと、ひと言だけつっこませてもらいましょう。殺す前にラグビーやろうや。あと今回、書き写すの長かった反面、書いててスッゲー楽しかったデス(大笑)



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2005/03/11