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感想・小説編。

涼宮ハルヒの暴走

著者:谷川流

出版元:角川スニーカー文庫


荒唐無稽な学園コメディの5巻。シリーズ2冊目になる短編集ってコトで、夏・秋・冬それぞれに起きたSOS団のドタバタ騒ぎが収録されてます。って、そうか、春だけ無いのか。まぁシリーズが始まるときの季節だから、ショートエピソードの入れようもないかー。

ではでわ、短編なので各話感想形式で。まず『エンドレスエイト』。ナカミの因果関係から照らし合わせると、これこそが『涼宮ハルヒの暴走』なのかもと思ったり。まさに「終わらない夏休み」とゆー、全国学生達の永遠の願望をそのまんま実現してみたら、やっぱりどエラいはた迷惑な事態が水面下で(?)発生しました、とゆー。個人的には、実にこのシリーズらしいエピソードだと思ってたりします。しっかしなんだ、15498回連続して過ぎる2週間とは、なんともはや、壮絶としか表現のしようがないな(笑) ソレはそれとして、今回のオチには、2巻・溜息のソレと同様の決まりの良さを感じますねー。ウマいはめ込み方とでも言うか。あと別に、暗算で「15498×2週間」及びその年数計算をしちまえるキョンは、やっぱアタマが良いんじゃないかと思うんですケド。アタマ良いってよか、回転が速いのかな。やっぱ学校の成績低いのには違和感あるんだよなー、コイツ。

次、『射手座の日』。自分がその手のジャンルを好きじゃないせいもあるんでしょーけど、作中のゲーム描写がイマイチ理解しにくかったりして。つくづく私はシム系が苦手なのだなぁ。ソレはさておき、なんで長門はこうも微妙にアナログ的な感覚の強いモノが好きなんだろーか(笑) 理解できるよーでミョーに分からんお嬢さんですな、この娘も。あと、自分がムダに 文章→画像・動画化 のコンバート能力があるタチの人間なもんだから、彼女が猛烈にキーボードぶっ叩きまくってる様子がヤケにありありと思い浮かべられて、ソッチで面白く感じたりして。

ラスト、『雪山症候群』。今巻で唯一、サスペンス色が強めのエピソード。良い意味でも悪い意味でも、SOS団員それぞれがおのれの立場でやるべきこと・やれることをシッカリやってるとゆー、ドタバタ5人衆(笑)の各キャラクター性を改めて見知るよーなお話ですな。それにしてもだ、都合の上でどーしても仕方無いコトとはいえ、つくづくキョンは”チカラ”の無い人物だよなぁ。ただし、彼は自分でソレを明確に自覚していて、またそうである事を自身で一切良くなど思っておらず、それでも起きた事態をどうにかしたいと思って足掻こうとするから、彼に悪い印象はまったく抱かないんですけどね。まぁなんですか、カンタンにまとめると「いいヤツ」なんだよな、キョンって。在り来たりだけど、この言葉とゆーか評価が意外としっくりくる気がしますよ。

…なんつーのか、コレは自分なりの印象ですけれど、SOS団ってハルヒが「中心」で、キョンが「外枠」として存在してるよーに思うんですよね。「中心」があって初めて全てが確立され、また「外枠」がなければまとまりも生まれずやがて崩壊してしまう。どちらとも存在しないとダメで、どちらかのみでもやはりダメ、そしてその間にある「中身」、つまり長門・古泉・朝比奈さんたちも居ないと「全体」は成り立たない。SOS団って、そんな感じで構成されてると私は思ってたりします。全員が不可欠な存在として集まってるチーム、それがSOS団。なんかイイよね、そんなのってさ。まぁ活動目的一切不明な謎集団であることは置いといて(笑)



▽自薦名場面 ― 284〜285ページ

 「どうしたの有希。ちょっと……」

 誰もが絶句して動けない中、唯一ハルヒだけが即座に駆け寄って小柄な身体を抱き起こした。

 「わ……。すごい熱じゃないの。有希、だいじょうぶ? ねえ、有希っ!」

 首をがくんと落としたまま長門は目蓋まぶたを閉じている。無表情な寝顔だった。しかし長門が安らかに眠っているのではないということを、俺の本能が悟っている。

 ハルヒは長門の肩を抱きながら、キッとした目で大声を発した。

 「古泉くん、有希をベッドまで運んでちょうだい。キョン、あんたは氷枕を探してきなさい。どっかにあるはずだわ。みくるちゃんは濡れタオルを用意して」

 俺と朝比奈さん、古泉の三人がしばし呆然としているのを見て、ハルヒは再び大音声で、

 「早く!」

倒れた長門の介抱のため、団員に手際よく指示を出す団長・ハルヒ。このシーンを読んで、なんで団員4名があーだこーだありながらも彼女と一緒にいるのか、よく理解できた気がするのよねー。ってのも、上記のキョンと同じよーに彼女も仲間想いの『いいヤツ』なんだって事が分かったから。この状況、長門の”正体”を知ってる他3人からしたらまさに驚愕の事態で、逆にソレを知らないハルヒにとっては「無口だけど愛すべき団員が熱出して倒れた」ってことで、ソレはそれで大事なんだけど、そーゆー大変な状況でも的確に全員を動かせる彼女は、確かに団長の地位に相応しい頼もしさを持った人物として映るワケですよ。傍若無人ではあるけど、本当はそんな頼りがいのある『いい人』だと知ってるから、なんだかんだでみんな彼女のデタラメに付き合ってるんだろーなぁ。



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2006/12/11