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感想・小説編。

ダブルクロス・リプレイ・アライブ 覚悟の扉

著者:矢野俊策

出版元:富士見ドラゴンブック


GM:「じゃあ、俺はそろそろ寝るぞ」

紫帆しほ:え? まだわかんないことひたすらあるんだけど!

GM:「いっぺんに説明してもどうせわからんだろ」と三郎さぶろうは言って、「すぐにわかるさ。お前はオーヴァードになったんだ」

69ページ 紫帆と三郎の会話より


気がつきゃあ、DX2のリプレイ文庫も色んなシリーズが出るようになったよなー。まぁ全般的に、4巻程度までの刊行作ばっかりだけど。でもこうして他種類の物語(シナリオ)を楽しめるようになるのは、リプレイ文庫の基本的な"役目"である「そのTRPGシステムをゲーム的にも世界設定的にもより深く理解させる」とゆー面に置いて高ポイントになるワケですからね、一般のGM及びプレイヤーにはワリと大事な部分と言えるかもしれません。それでは、矢野さんのマスタリングによるDXリプレイでは第2弾となる、アライブのレビューを開始しましょう。

てなワケで、リプレイシリーズ第2弾ってことで、前身にオリジン(レビュー1巻はコチラがあるワケですが。まぁ当然と言えば当然なんですけど、ソチラのシリーズとは確かに別作品として展開されているのが本シリーズです。その最大のポイントは、今巻冒頭でも述べているコトですけれど、「普通の一般人からオーヴァードとして覚醒したプレイヤーキャラを主人公として描いていった物語」とゆー点ですか。ま、著者が同じ方なので、ココはあえて比較でやらせてもらいましょうかねー。まず旧シリーズのオリジンでは、メインキャラ2名を主役としたスタイルを取っていましたが、本シリーズでは七村ななむら紫帆を異能の世界に巻きこまれていった主人公として据えていくことで、作劇の差別化をハッキリ図っております。また、旧作がUGチルドレンである少年・少女の成長物語ということで、シナリオ全般からでもUGNやFHなどレネゲイドに関係する組織・舞台内で描かれる物語といった側面が強かったですが、本作はそれら組織はさほど物語に関わることも無く、レネゲイドそのものに対しての様々な関わり合いを通して成長していく少女の物語とゆー、舞台設定上での違いがあるのもポイント。と、違いばかりに目を向けつつも、同一GMってコトで、作品舞台には旧作で使用された都市や、続く巻でもとあるアイテムをシナリオギミックとして再登場させたりと、同じ"作者"としての繋がりがあったりするのが、シリーズを通しての読者には嬉しいトコロです。あと他だと、挿絵の担当者がしのとうこさん1本になったのも要点だったりするかもねー。ささいな点ではありますが、こーゆう部分で統一性を出すのは意外とキモになったりするからなぁ。旧シリーズと変わらない強いテーマ性を打ち出した作劇を取りつつも、大まかな骨子からチョットした部分までキッチリハッキリと差別化を図って構成された、第2弾作品としての面白さが色々と込められた新シリーズ、ソレがこのアライブに感じる主だった印象でしょうねー。

さて、そろそろ1巻の中身のハナシをしましょーか。1〜2話を通して、メインキャラの大まかな性格・性質――微妙に臆病だけれど土壇場には頑張れる強い意志を秘める紫帆、キツめの性格の中に女の子らしい柔らかさと優しさも併せ持つミナリ、普段はダラケていつつも急場では年長者らしい態度で事態に相対する柳也りゅうや、それとぶっきらぼうに見せて意外と紫帆への気遣いが多いNPCキャラの三郎――を描いて見せ、キャラ紹介的な展開はシッカリ果たしておりますな。シナリオ展開では、2話からさっそく、シリーズ各話で示されることになるレネゲイドにまつわる様々なテーマ、今回は「ジャーム化」を出してきたり、また同話では戦闘展開の流れに合わせて敵キャラ・アキューズが存続したことにより、続く物語の伏線が(偶発的ながら)示されたりなど、シリーズ作品として色々期待のできる内容になってますねー。ま、カンタンにまとめると順当な第1巻、ってヤツですな。それにしても、もし紫帆のシンドロームがエンジェルハイロウじゃなかったら、三郎の設定どーする気だったんだろGM。や、タダのツッコミなんですけど、何気に気になるポイントだよなーと。



▽自薦名場面 ― 109ページ

 紫帆:大丈夫。あんまり休んでると忘れられちゃうし。……まだまだお役に立ちますよ?

わりあいフツーの日常シーンでのひと言から。前後の会話部分はあえて切ってみた。この「お役に立ちます」ってのはまぁ、彼女のキャッチフレーズというか商売文句というか(笑)なんだけど、なんかこのセリフ好きなんだよねぇ、不思議に。ココでは特に、「まだまだお役に…」とゆー部分がイイ感じで。なんだろ、響きとか言葉として使う意味合いが気に入ってんのかなぁ? まぁコレも、回を追う毎に使われる機会の減っていく決めゼリフだったりするのですがねー。 ( ̄フ ̄;



第2巻>


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2008/05/21