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感想・小説編。

ダブルクロス・リプレイ・オリジン 偽りの仮面

著者:矢野俊策

出版元:富士見ドラゴンブック

"ダブルクロス" ―――それは裏切りを意味する言葉

昨日と同じ今日 今日と同じ明日

  世界は同じように時を刻み、変わらぬように見えた

     だが人々の知らないところで――世界は大きく変貌していた

1〜4ページ 本編前の扉ページより


ぶっちゃけたハナシ、マトモに把握なんて全然できちゃーいませんが。近ごろのテーブルトークRPG界隈(?)じゃあ、ダブルクロスってワリと人気な方なのかしらん? 要望が集まってセカンドエディションはリリースしたモノらしいし、そんな意識で大体間違ってもいないのかねぇ。てなワケで、ダブルクロス・The 2nd Edition(以下、DX2)のリプレイとしてはシリーズ第2弾にあたる本作、オリジンのレビューに参りましょー。

えーと。まず上記の通り、本作は事実上、DX2のリプレイ文庫における2番目の作品となるワケですが…ハッキリ言わせてもらいましょーか。コッチを先に読んだ方が、DX2の理解は断然早いッス。まぁ、第1弾シリーズはダメだ、とまでは言いませんが、少なくとも文庫リプレイ作品が本来担っている役割、そのTRPGのゲームシステムやルールを把握しながら、なおかつ読み物としても楽しめるという要素については、確実にコチラの方が満たしている部分が大きいですね。とりわけ、システム解説の部分については特に。ゲーム内の各種専門用語やエフェクトの内容などを、ページ端で注釈を入れながら分かりやすく説明してくれているため、シナリオ内容を楽しみながら同時にゲームシステムの理解も進められるよう、ウマく仕立て上げてくれてます。やっぱリプレイ文庫は、ゲームを理解しながらも読んでて楽しい、ってな風になっていてこそ、だよなー。

その他での本作のポイントといえば…やはり、そこかしこで見受けられるキレのあるアイディアでしょうね。まず最初にあげられるのが、各プレイヤーキャラの設定部分。まず"衛星軌道支部長"こと大宙おおぞらヒカルは、DX2世界の各種設定、シンドロームの異能力やUGNの特殊性を非常にウマく活用してます。"永遠の少年ピーターパン"・群墨応理むらずみ おうりも同様に、『古代種』という要素を盛り込んだ面白さを表現してくれてます。椿つばきにしても、地味になりがちなエグザイルの能力を、アイディアひとつでカッコいいキャラ立てに変えているのは見事。主人公役の隼人はやとは比較的普通気味ですが、思い出のアイテムを使って戦闘シーンを盛り上げたのは、とてもロールプレイが光ってます。そして次に取り上げるべきは、良く練られたシナリオ。SF的な基本アイディアを、DX2世界と上手に絡めて構成を組んだ第2話のシナリオは、本当に純粋に、読んでいて感心させられました。ホント、ウマい作り方してるよなーコレ。いずれもやはり、GM含めた各メンツがゲームデザイナーであるところに強い要因があるんでしょうけれど、それでもホントに、これらのアイディアは面白いモノばかり。実際コレら、個人的にはリプレイ読者各位に良い意味でマネしてほしいモノばかりです。特にシナリオなんて、いくらでもアレンジの利かせようがありそうだしな。

まぁぶっちゃけ、セッション内容にビミョーな内輪クサさがあったりするのが、チョイとマイナスポイントではありますが(苦笑) そーいった欠点を除いて読めば、本作を通じてDX2の面白さに触れるのは、とても良いことに感じますね。



▽自薦名場面 ― 332ページ

 隼人:少し、重くなったけどな。

 椿:前の写真より?

 隼人:人数増えたってことだよ。

本編のラストシーン。決して二度と戻ってこない、自ら別れを告げた過去の"想い"と、それと引き替えるようにして、胸に残った新しい"思い出"。実際のトコ、こーゆーのってプレイヤー側のモチベーションがちゃんとしてないとなかなかウマくできない演技ロールプレイではありますが。そういうの別にしても、儚さと美しさがとても良く合わさった綺麗なエンディングで、とても気に入ってます。


第2巻>


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2005/07/07