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感想・漫画編。

TWIN SIGNALツイン シグナル 14巻

著者:大清水さち

出版元:ガンガンコミックス


ロボットマンガの14巻目。前巻ラストから続くクイックの襲撃に始まって、とうとうクオンタム(達)が本格的に動き始めるってトコロまで。なんか、この巻はオマケも少ないなぁ。

とゆーワケで、長らく大きな展開も無かった本作ですが(苦笑)、ここに来てようやく”敵”が行動を開始しました。もっとも、動き出したっつってもその目的・狙いなどがまだ全然見えてきてないから、ホントに”動いた”ってだけではあったりしますが。ま、のんびり展開がしばらく続きすぎてたし、物語の流れとしても「いよいよ」とゆー感覚は強いですな。クオータが果たそうとする企みも、自らが直接害を為す行動には出ずアトランダムを(再び)操って成そうとするところなど、まさに暗躍という言葉が似合う、悪意ある者の動きといった印象が実に強く出てます。

そんな彼、すなわちDr.クエーサーの指示に対し、クイーンは見えない真意に脅え、クワイエットは争いへの疑問を抱き、そんな”仲間”の疑念を見せられてもクオータ自身だけは「Dr.に従って」何の疑いも持たずAナンバーズを敵に回そうとする。確かにその姿は、クイーンの言うとおりどこか恐怖を憶える不気味な所もありますし、クワイエットが語る「たとえロボットと言えど、俺たちは自らで善悪を判断すべきだ」とのセリフには、人物としての”正しさ”を感じます……が、その上で、それは悪意でしかないと理解してもなお、他者の言葉に一切耳を貸さずただ制作者にのみ従うクオータの在り方にこそ強く、「ロボットとはこういうものである」という事を納得してしまうのは何故でしょうかね? 違う言い方をすれば、最もロボットらしいとゆーか。ただ盲目的にすり込まれた命令プログラムのまま動いているようでいて、ソコにどこか自らの判断・意志を確立させているようですらある、率直に言えば得体の知れないクオータの「本質」。おのれの苦悩を語るクワイエットは「人間らしい」とも言えますが、134ページでその言葉に対し、「彼は何を言っているのでしょうね」とばかりに皮肉気な薄笑いを浮かべ一蹴してのけるクオータの姿は、恐ろしい程にロボットらしく映ってしまうんですよねー。まるで人間とは違う存在、とでも言いますか。

リタイアを余儀なくされたニイハオ、クオンタムのデータを守護する謎の存在、そして再びシグナルたちに牙を向けてしまうアトランダム。終局へ向けて、物語が徐々に動き出していきます。にしても、175ページのセリフの掛け合いが実は真相に迫った発言だったりするなんて、こんなの誰も気付かねーわ(苦笑) あんまし意図して言わせたセリフとも思えないけど、もしそーだとしたらムチャクチャな伏線の張り方だなー。



▽自薦名場面 ― 57〜63ページ

 「お前! シグナルか!! シグナルだな!!」

 「―――そうだ。ぼくがシグナルだ」

 (中略)

 「なんだよ!! お前! 最新型で経験値不足のロボットじゃなかったのかよ!!」

 「――じゃあ、
  お前はぼくより経験値が足りないんだろうさ」

遂に対峙する、オリジナルとそのコピーのふたり。巻全体を読むと何気に活躍の場がほとんどないシグナル君ですが(笑)、場面選出にはエントリーしましたヨ。シグナルの場合、怒るにしてもキレることの方が主だから、こーゆう静かな怒りを見せられると、彼が本心から怒りを覚えてるというのが実によく分かるなー。彼にしては非常にめずらしい激昂の仕方と、それ以上にめずらしい辛辣なクイックへの言葉が印象的な、このシーンを今回は。



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2007/04/19