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感想・漫画編。

 スパイラル 推理の絆 13

原作:城平京 作画:水野英多

出版元:ガンガンコミックス


推理のマンガ、第13巻に到達。「終わる時間」へ向けて、物語に紡がれてきた事々が確かに終わっていきます。ただソレらさえも、本当の終幕の前に広げられたひと幕でしかないのだけれど。

前巻末での作者あとがきで語られたとーり、歩の推理が動き出した瞬間に終わりを告げた日常の風景。それはカノン・ヒルベルトの死、それも火澄の殺害によってのものという、"衝撃"という他に例えようのない事件によって幕が下ろされました。…イヤまぁ……こと此処に至って誰かが犠牲になるってのは、コレまでのストーリー展開を思い返せばそこそこ想像に難くない作劇ではあるんですけれど、ソレをよりにもよってカノンでか、とゆー。だってさぁ、155ページのキリエのセリフじゃないですけど、7巻終わり際から10巻までに渡ってあれだけの知略を巡らせてたくさんの血を流して、ソレでよーやく食い止め助けることのできた彼が、ココまでアッサリと退場させられるなんて、ねぇ? 本人様も自己申告している事ですが、城平さんはいわゆる、物語を盛り上げるためなら作中キャラをトコトンまで犠牲にしてしまえるタイプの作劇者なんですけれど、その容赦の無さが遺憾なく発揮された瞬間ではないかと思います。いやホント、10巻までのあの戦いはなんだったのよ、ってなハナシですからねー。本作で語られる"造物主"ってまぁ、作中世界内における"ソレ"ですが、あえてワザとメタ的な視点で語るなら、ホントにロクでもない"原作者ぞうぶつしゅ"だと思いますよ(笑)

そしてその絶望を前に、それでもいつかの時に誓った決意を砕かせることなく立ち続ける少年・鳴海歩。対極である火澄の在り方、整えられた運命の盤面、果てにはおのれ自信の存在さえも疑って、そこから最後の希望を、このふざけた運命を打ち破れる「何か」を見極めようと戦い続ける彼の姿。ナルホドそれは、「そこまで何もかもを否定して追いつめてまでしてでも立ち向かうべきものなのか?」と、彼の有様を前にむしろ不安になってしまいそうなほどです…けれど、それでも彼はその瞳に宿した決意を、意志を、覚悟を、どこまでも衰えさせない。むしろ暗闇ばかりが広がってこそ、その絶望の向こうにあるものを見定めようとしている。このロクでもない運命と現実の果てに、鳴海歩は何処へ行くのか。何処へ行けるのか。すべての結末は、まだもう少し先です。



▽自薦名場面 ― 175ページ

 兄貴… 今はいい気になってろ いくらでも俺から奪っていけばいい

 ――――――だが

 「その憎たらしい面、最後は必ずぶっ飛ばしてやる」

ひとつの"事件"が始まって終わって、ひとりきり自宅に帰った少年が呟いたひとこと。それはひとつの宣言であり、ひとつの決意。流れ行く運命を確かに受け止め、だけども受け入れるワケではなく抗う道を模索する、それはすなわち兄・清隆に勝つための道。彼の決意は最後、叶うのか否か。まー、ぶっちゃけちゃうと叶うんだけどな?(大笑)



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2008/04/18