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感想・漫画編。

 スパイラル 推理の絆 3

原作:城平京 作画:水野英多

出版元:ガンガンコミックス


"推理"のマンガ3巻目。理緒りおが登場、彼女との対決編がスタートする巻ですな。

さてはて、ようやくこのマンガも3巻からはエンジンがかかってきた感じですな。もともと原作の城平さんも、この巻のキーパーソンである理緒を、スパイラルの全体構成における前半戦の要としてキャラ立てさせたトコロもあるらしいんですが。狙い通りというかなんというか、「名探偵」に立ち塞がる敵役、「名犯人」として、彼女が充分以上の活躍を見せてくれてます。強敵あってこそ面白みが増す物語ってヤツですかね?、先手を打つかのようにして殺人を果たす理緒、事件現場の限られた証拠から犯人を絞る歩、その後の互いの行動・思考を読みに読みあい、知略の限りを尽くして相手の裏をかく、両者の静かな頭脳戦。"対決"を通して描かれる"推理"の模様こそが本作の魅力ですが、この巻ではソレが今まで以上に明確に、かつ面白さ充分に繰り広げられています。うむ、やっぱこのマンガは最低でもこの3巻までを読まねーと魅力が伝わりませんなー。イヤまったく、つくづく効率の悪いコトで(苦笑)

そんでもって。今巻の見所はやはり、第14話「信じぬ者の選択」でしょう。この回の内容、ものすごく簡単に要約すると、「コップの水を飲むか・飲まないか」ってタダそれだけのコトですからね。ソレをあーだこーだ、推理がなんだ知略がどうしたと言って約30ページも展開させる、否、させてしまうその構成ときたら。なにせそんな、地味な状況展開ながらも、ミステリとして必要な伏線や証拠などは確かに用意されているんだから、良くできている。推理を繰り広げ、知略を巡らせ、相手の思考を読み抜いて…歩の推理は当たっていた、なのにたったひとつの要素、「自分を信じる」ことができなかったゆえに、最後の最後で敗北してしまう。目に見えた派手さとはまったく無縁ながらも、シリーズ全体のテーマである要素を存分に盛り込み、推理の対決をバッチリ読ませてくれるこの回。「信じぬ者の選択」というサブタイトルに込められた数多くの含意などなど、ぜひともココは見逃せない内容でしょうて。



▽自薦名場面 ― 176〜180ページ

 「待ってください。私には鳴海さんの推理が外れるなんて思えません」

 「結果はもう出てます。弟さんの推理は外れたんですよ」

 「いいえ! 私は鳴海さんを信じます
  このコップに毒は入ってません」

 ――――トン

 「ほら、苦いだけでただのお水です。
  ――決着は、まだついてませんよ」

3巻ラスト、推理戦が終わったあとの最後のやりとり。自身を信じられなかったがゆえに負けた歩を、完全敗北を喫したこの状況を、彼を信じたことで一気にイーブンにまで持ち込んだひよのの気っぷの良さがもう。こりゃほとんど痛快なまでの決まりっぷり。イヤハヤまったく、このおさげ娘は毎回良いトコ持ってくなー(笑)



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2005/07/06