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感想・漫画編。

Q.E.D. …証明終了 20巻

著者:加藤元浩

出版元:月刊マガジンコミックス


理数系ミステリマンガ、とうとう第20巻へ到達。カバー折り込みでも加藤さん自身、その辺のことに触れてるけど、「フシ目があるように思っていたけど、案外そうでもない」って、実生活でも色々とある事だよなぁとか思ったり。

ではまず『無限の月』。なんかこのサブタイトルって、どっかのミステリかSF小説あたりにでも同じ題名でありそうだなぁとか思ったり。ソレはさておき。殺人事件の回は毎度たいがい、犯人の末路は犯した罪に見合うカタチで報いを受けるトコロが本作の特色だったりしており、それゆえ深いというか重いというか、そんな読後感を覚えることの多い作劇が中心なワケですけど。今回のエピソードもその辺また、重たい終わり方をする事件だったなー、と。ソレは確かに紛れもない"現実"ではあるけど、あまりにも真実に過ぎて、それゆえ救いの無い結末を迎えるしかなかったとでも言うのか、そんな幕切れ。それでも彼は、最期に友人・燈馬が見たというものよりももっと凄くて大きな月を目にできて、満足のいく終わりを迎えられたのでしょうか…? 燈馬にしても、罪を償わせて彼を救いたかったんだろうに、当人はその手を払い除けて"現実"へと行ってしまうという、なんともシビアな作劇が心に残ります。それにしても、数学者はロマンチストで医者は現実主義者、なぜなら数学者は神の存在を信じていて、医者は信じないから、という言葉にはどこか納得させられますね。神を信じないからこそ"死"という絶対の現実を知ればいい医者と、神を信じるからこそ"無限"という現実にないモノを追いかける数学者。その対比は確かに、リアリストとロマンチストの在り方かもしれません。

続いて『多忙な江成さん』。探偵同好会3人組の第2弾ですな。この回はめずらしく、問題編と解答編とで分けて収録されてるんだけど、なんでだろ? まぁたまたまか。本シリーズは本誌連載で追いかけずにコミックス収録を待って読むスタイルを取ってるので、掲載時のそのへんのコト分かんないんだよなー。ハナシを戻しましょう。探偵同好会3人組の出る回にしてはサスペンス色が多少押し出された作劇を見せるエピソードって印象ですね、今回。彼らの登場回は全般的に言って、コメディ色メインの展開だからなー。まぁサスペンスチックと言っても、事件の真相を明かしてみれば「おいおい(微汗)」って感じの結末だったりもするワケですけど(笑) それでこのエピソード、サブタイにもさり気なく事件解決のヒントが紛れ込んでるんだよなー。読み終えてみればナルホドと納得するというね。もうひとつ感心すると言えば、本編最後のコマとセリフはむしろ痛快なくらいのオチでしたねー。「私にとって、私は私なの」という言葉と写真は、ヒナ江お婆様というご婦人の"人となり"をこの上なく雄弁に物語っていると言えましょう。



▽自薦名場面 ― 154ページ

 「彼に頼らずとも私の推理力で‥‥

 「ことは人命に関わるのです。
  あなたは自分の乗る飛行機をカブトムシに操縦させられますか?


  「――廊下でしゃくり上げてますよ」

  「早く良いきっかけで立ち直って欲しいものです」

この巻は候補3つくらいあるんだけど、迷いつつもやっぱりココかなー。なんつーかアレだ、ヒドい物言いもあったモンだなオイ。まぁそりゃ確かにカブトムシには任せられんけど、しかし、なあ(大爆笑)



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2009/01/21