感想・漫画編。

Q.E.D. …証明終了 14巻

著者:加藤元浩

出版元:月刊マガジンコミックス


理数系ミステリマンガ、第14巻。収録2話のうち片方は非・殺人事件なのが本シリーズの通例だけど、今回はめずらしくどちらも人死にが起きないお話。まぁ言っても、後半のは殺人未遂だったワケだが。

てなワケで、『夏休み事件』から。背景に、ビミョーに複雑な当事者達の心理の入り組みがあった事件ですけど、今回のラスト、よーく考えたらその辺の人間関係を根底から崩壊させかねない暴露をしたのではないか燈馬君よ。少なくとも、柿崎かきざき押尾おしおの先輩ふたりに限っては、この事件の後もこれまでどーりの友人関係を続けるには、あまりにも気まずすぎると思うんですが(大苦笑) それなりの正当性が無いとも言えないひとつの仕返しとは言え、恐ろしいコトをするなぁ… あとどーでもイイ事ですけど、冒頭のようなシーンがないと水原さんが剣道部員だってコト本気で忘れそうになるなー、と。シリーズの始め頃はワリと竹刀持ってたりする場面あったけど、巻が進むに連れそーゆう描写も減ってきてるからなー。イヤまぁあっても無くても構わんような要素だから、ホントどーでもイイんですけど。

続けて『イレギュラーバウンド』。なんか、このサブタイトルは何気にウマい付け方してるな、とか思ったり。思いっきりミスリードを誘う作劇で進めつつ、実は最初のページをちゃんと読めばそのまま解答は手に入れられるとゆー、読者の”誘導”を何気に巧みに行っていて面白い回です。まさしく、解決編直前のセリフ、「いちばん単純な答えこそがいちばん真実に近い」という「オッカムの剃刀」の言葉のままの内容ですな。ま、言っても事件とお話そのものはあんま面白くはないんですがねー。なんだろ、事件関係者がうだつの上がらないサラリーマンだからかなぁ(←酷。)

 

▽自薦名場面 ― 153ページ

 「これがもんじゃ焼き‥‥」

セリフっつーかソレ書き文字じゃん、とゆーセルフツッコミを入れないことには自分でもどーにもならない今回の選出。今回のコレは、9巻・『凍てつく鉄槌』の某シーンあってこそクスリと来る一場面だぁな。鉄板の上に広げられた生地を見て、彼は一体なにを思ったやら… ( ̄▽ ̄;)



第15巻>

<第13巻


<<コミックレビュー



2007/05/25