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感想・漫画編。

Q.E.D. …証明終了 10巻

著者:加藤元浩

出版元:月刊マガジンコミックス


理数系ミステリマンガ、ココでよーやく第10巻。シリーズ初の前後編で、コミックスも1冊まるごと終結。まぁこの作品だと、今まで無かったことの方が少し不思議なくらいだぁね。とはいえ、10巻っつー節目にはちょうど良い収録内容とも言えるか。

そんなワケで、言ってみればQEDの、とゆーか燈馬想のエピソードゼロとでも言うべき、この『魔女の手の中に』。ま、作劇から見ると今回のストーリーでは、燈馬くんよりもゲストキャラ(?)であるアニーさんのが主役といった感じなのですけど。ともあれ、まだ幼い彼がマサチューセッツ工科大学(MIT)に入学したばかりの時に巡り会ったいくつかの人々とひとつの忘れられない事件、といった今回の物語。(あたりまえなんだけど)コレまでになかった裁判が舞台になってるトコロや、あえて彼が物語の中心に据えられていないことで、全体的に番外編的な雰囲気もあたえつつ、でもそれほど外れていない"箇所"で「もうひとりの主役」として動かすことでまた、彼がその事件を通して知った・あるいは得た物事を描いて見せていて、「シリーズ全体の原点となるお話」としてまぁまぁウマく動いているんじゃーないか、といった感じでしょうか。シリーズ通して読んでりゃ、このエピソードが後付け設定だってのは一目瞭然ってなモンですが、でもソレを気にさせないだけの作劇には仕立て上げられてますな。

さてはて、過去と現在の燈馬くんにとって、色々な意味で重要な存在である、アニー・クレイナーと水原可奈という2人の人物。前者は126ページ前後で描かれてるとーり、「ひとつひとつの真実を見極めることで、ひとつの結論を証明する」という今の彼の生き方を教え示した存在であり、一方後者は120ページで言ってるよーに、「何でもやってくれるから楽だ」と言っていつも一緒にいる存在。こーやって並べると水原さんの意味ってやたらお軽いよーにも感じちまいますが(笑)、見方を変えればコレって燈馬くんに大してあらゆる意味での偏見を抱いていない、つまりはひとりの男の子としてそのまんま見て・接しているという、これまでの彼にとって数少ない、そして同時に得難い存在なんですよねー。だから、アニーさんは自身の在り方に強い影響を与えた女性ってことで、確かに重要な存在だけど、水原さんはありのままの自分を受け止めてくれる女の子ってことで、やはり彼女は確かに本作のヒロインなんでしょう。どちらも彼にとっては大切な人のハズ、だけど、いつも共に居続けるのはやっぱ水原さんの方なんだよなー。

にしてもだ。成長期まっさかりの少年の5年前の容姿が今現在と寸分たりとも変わらないってのはさすがにどーなのよ、と。や、キャラの描き分けも満足にできないような作家ってワケじゃーないから、この辺の描写はたぶんワザとやってるんだと思うんですが…それにしても、なぁ。あと91〜92ページ、イラだつ気持ちは分からんでもないけど、年端もいかない子供に当たるなよ、とは言いたい(苦笑) いやぁエリスさん、そりゃ彼は天才少年ですが、しょせんまだ10歳のガキなんだしさ。最後にフォローあるから良いけど、逆に言えば無かったら相当"アレ"だよなぁ…



▽自薦名場面 ― 213ページ

 ピンポーン

 「はーい、どなたァ!?」

 「――燈馬です。妹の優は来てませんか?」

本編最後のページ、シルエットだけで登場する今現在の燈馬想。コレと言って何かの意味合いとかも全く無いシーンだけど、現在の彼がこの1コマだけ、それもシルエットのみで登場するって演出が、なんか気に入ってたりして。どことなく叙情的で、しめやかな感じを残すような締め方でさ。



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2006/09/24