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感想・漫画編。

Q.E.D. …証明終了 7巻

著者:加藤元浩

出版元:月刊マガジンコミックス


ミステリマンガの7巻目。別に気にすることでもないケド、この巻の収録2話は、ページ数の較差がスゴいことなってんな(笑) 約120と70か? 倍近いって何事。

さて。このQED第7巻は、個人的に少々思い入れの強い巻だったりします。とゆーのも、今巻収録の「Serial John Doe」こそが、私が一番最初に本作に出会った回だからでして。その初めて読んだときのいきさつを語ると、かなり長い思い出話になってしまうので、ココは省略させてもらいますが。ともかくも、初めてQEDというマンガを読んだのは、この回。

得体の知れない男・名無しの誰かJohn Doeが繰り返す、数記号になぞらえられた連続殺人。男の影に翻弄されながら、徐々に真相へと近づいていく3名のメインキャラ。まるで意味不明に思えた各事件の符号、それらに隠された本当の意味とは、数学史上に燦然と輝く数式「オイラーの公式」だった… 当時は当然、登場人物の背景とか、作品世界のバックボーンとか、そーゆう予備知識が一切無かったワケですが。それでもグングンと引き込まれる、このサスペンス&ミステリの作劇レベルの高さ! そして何より、この回を読んでいた当時、私は現役の理工学生。まさに大学で、この「オイラーの公式」を学んでいた人間だったワケです。コレでアンタ、この物語が面白くないワケ無いぢゃない。ま、そーいった当時の個人的背景を抜きにしても、この回の面白さは特筆すべき内容でしょう。シリーズを通しても類を見ないほどに強いサスペンス色や、「オイラーの公式」という"仕掛け"に向けて収束していく謎解き、そして"自分"を明かすことのほとんど無い燈馬が犯人に向けて語る本心の言葉などなど。やはりこの回、コミックス序盤の中でも屈指のエピソードだと思います。だって、完成度が並じゃねーもん。

んで、それに引き続くのが「憂鬱な午後」。これはコレでまた、重たい感じの強い前半とうって変わって、シチュエーションコメディ的な明るい(お軽い?)内容ながら、人情話的なオチで締めくくるとゆー、とてもバランスの取れた後半になってるのがイイ感じ。コッチの回は、初めて「Serial」を読んだその後日に、今度は自ら求めてマガジンGREATを探して読んだんですが。やはりコチラもその面白さに魅入られ、立ち読みしたその場でコミックスを買うことを決めたりしたワケでして。

ともかくも、こーして私はこの面白いミステリマンガに幸運にも出会い、こーしてレビューまで書いてる次第なのです。あのとき、偶然でもあの雑誌を手に取らなかったら、このマンガには生涯巡り会わなかったかもしれんのだしなー。つくづく「出会いの妙」ってヤツを感じずにはいられない気分ですよ。



▽自薦名場面
 ― 94〜95ページ

 「円周率 π は、円周を円の直径で割った数。
  自然数 e は、ネイピアの考案した対数という概念から生まれた数。
 
そして虚数 i は、2乗して−1になる想像上の数として生まれました。
 
この3つの記号はそれぞれ、人類の歴史の中でなんの関連もなく生み出されたものです。ところが大数学者オイラーは、この3つの数に一つの関係を見つけ出した」

    πi=−1

 「これがオイラーの公式。人類の数学史上、最も美しい式と呼ばれるものです」

どーよ。実際、説明の仕方の上手さとかもあるんだけど…このあまりにもシンプルで、あまりにも美しい数式の存在感は、魂にクルほどのインパクトを秘めてると思わんかね。理数系の人間だったら、きっと分かってくれると思うんだがなー。イヤほんと、この衝撃を目の当たりにしちゃあ、犯人だって「ヒトを超越した言葉の存在」ってヤツを信じちゃうの分かるわ。この巻の名場面、ホントは他にもかなり迷うだけあるんだけど、やはり今回は、この”インパクト”に譲らざるを得ませんな。



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2005/12/06