感想・漫画編。

Q.E.D. …証明終了 6巻

著者:加藤元浩

出版元:月刊マガジンコミックス


ミステリマンガの6巻。サブレギュラーとして、燈馬の妹・ゆうが初登場。レギュラーキャラが異常なほど少ない本作にとっては、つくづく貴重なキャラのひとりやね。ときに、あえて言明されて無いから勝手にそう思ってんだけど、彼女と燈馬くんとは双子なのか?

まぁそんなワケで、主人公・燈馬の”身内”が初めて登場したワケで。当人の性格も影響してか、バックボーンがまるっきり明かされない我らが主人公、そのナカミの一端が垣間見られるお話がこの12話目。まぁ実際の内容では、それほど多くが語られたでも無いんですが。てゆーか、大したことはなんも明かされてねーし。ソレはさておき、何かと他人とは距離を置いたような態度を取りがちの彼ですが、さすがに妹の前ではざっくばらんな口調になるんだなー、ぐらいの振る舞いを見せてくれます。めったに”自分”を見せることの無い彼ですが、このときの態度がいままででイチバン”素”に近いのかね? そーゆー一面が垣間見えることもあって、キャラを描いている部分では、密かに貴重なエピソードですな。

次、この巻の殺人事件担当(笑)である『青の密室』。このエピソード、なんつーのか……解決編での各キャラの動きっつーか動機が弱いように感じるんだよなー。燈馬くんがスカイダイビングに挑んだ理由、犯行の物的証拠を得るためってのはまぁ理解するけど、そこまでしてアイツが事件解決にカラダ張る理由が見つからんし。犯人も犯人で、燈馬の事件証明を闇に葬るためにパラシュートに細工を仕掛けたっての、本来は無関係である彼を殺そうとまでするか?、って疑問があるし。話の流れから見たらどーってことでも無いんですが、よくよく読んでるとやっぱり、両者とも動機が弱いとしか思えません。まぁ別に十全な作劇を求めてるでも無いですけど、やっぱこの回でのキャラの振る舞い方には、少々首を傾げてしまいますねー。



▽自薦名場面 ― 162ページ

 「君の彼女は今飛んでるトコだろう。上手くいくといいな」

 「大丈夫ですよ。水原さんなら宇宙からでも笑って降りてきますから」

こりゃまた今回、場面としてはおもっきり普通のシーン選んだなー。ホントに単なる会話のひとつ…なんだけど、何気に水原さんのことは良く理解している、そんな燈馬くんの態度がフッと出ていて好きなセリフです。つーか、”相手”が居ないときは彼氏扱いされても全然気にしねーのなコイツ。ソレはそれで本心の見えないことだ。イヤまぁ、コイツのことだからホントに気にしてないだけなんだろーケド。



第7巻>

<第5巻


<<コミックレビュー



2005/10/26