感想・漫画編。

ONE PIECEワン ピース 43

著者:尾田栄一郎

出版元:ジャンプコミックス


海賊マンガの43巻目。CP9との激闘第2パート。ところで今シリーズのバトル、割合的にコメディ混じりの戦闘模様が多い感じだな。まぁルッチ戦についてはそーとも言えんけど。

さて引き続きバトルパート。ナミVSカリファの決着から、サンジVSジャブラ、ゾロVSカクの対戦カードが描かれ、またそれぞれでサンジの悪魔風脚ディアブルジャンブ、ゾロは九刀流・阿修羅アシュラがそれぞれ披露されましたな。ってもなんだ、ゾロの九刀流はコレ真っ当なパワーアップなのかっつーとビミョーに疑問符浮かびますが。言っちゃえば気迫で幻覚見せてるだけだしなぁ、いちおうビジュアル的には分かりやすくパワーアップしてるの伝わるんですけどね。ま、もともとこのマンガ自体が理屈よりもノリで押し通すタイプの作品だから、単に見た目だけで強くなった感じになってれば、作者的にもソレでOKではあるんでしょーけどねー。理屈でツッコミ入れようとしたらそれこそ、ナミのミラージュ・テンポなんて蜃気楼の原理を完全に度外視してますし(笑) 光の屈折で実像を歪めて見せてるんなら、攻撃しようとしてもその攻撃自体が屈折の影響受けてしかるべきだしなー、52〜53ページだとかみたくは絶対ならんワケで。こーゆう悪いイミでなくテキトーな部分はたぶん、分かった上で意図的に演出を入れてるのでしょーね。本作は紛れもなく様々な魅力を持つ面白いマンガだけど、根っこにあるのはあくまでエンターテイメントなワケで、そもそもSBSのコーナーでアホなことばっか言ってる小学生魂の漫画家に科学的な理屈をきちんとしろとか言うのもヤボではありますか(大笑)

ハナシを戻して。CP9との対決ですけど、ひとしきり戦闘を通過してみて、CP9メンバーのロビンに対するスタンスって真っ二つに分かれてるんですねコレ。簡単に言うとロビンを「世界に害を及ぼす災厄の女」として捉えているか否かでして。この巻で言うとジャブラがそーゆう考えの持ち主だったのに対して、カリファとカクはロビンの"人物"そのものを別に悪し様には言ってませんでした。だからサンジがジャブラを撃破したのはスカッとする部分もあったワケですが。それに対してなんつーか、172ページでゾロが勝ったあとに「悪ィな」とカクへ詫びを入れたのって、読んだ当初はその意図がよく分からなかったんですけど、悪感情無しで戦い打ち負かした相手に自ら鍵=ロビンを助けるための手段を差し出した、その義理の通し方に対して詫びを入れた、のかなぁ…? カクはCP9のメンバー内でも根はどちらかといえば善人寄りの人物だと思うんですが、実際彼が何を思って麦わらの一味と戦ったのか…まぁ単に燃えられる戦闘を求めてのコトだとは思うんですが、ちと真意が見えないトコはありましたかね。



▽自薦名場面 ― 207ページ

 「フランキー君、フランキー君。こちらそげキング

 「ん? あん?、この電伝虫はおめー…」

 「ナミから私が受け取った! それよりその付近に小さな"赤い布の包み"が落ちているハズだ」

 「おお…あるぞ」

 「鍵が2本入ってる。君のと合わせて鍵は全て揃うハズだ!!」  「鍵全部〜〜〜!!?」

 「確かに届けたぞ」  「完了」  「急ぐか。ヤベェぞ」

43巻の本編末ページより。狙撃王の超絶技能を持ってロビン救出の大逆転を果たす! そげキング=ウソップの実にスマートな活躍、その能力に確信を持って彼を向かわせたサンジの信頼もまた、短いやりとりの中で彼らのバツグンのチームワークを十二分に知らしめる、格好いいワンシーンとなってますなー。



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2010/04/15