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感想・漫画編。

ONE PIECEワン ピース 41

著者:尾田栄一郎

出版元:ジャンプコミックス


海賊マンガの第41巻目。満を持してロビンの秘められた過去も明らかになり、その後には本当の大暴れ、我らが麦わらの一味の"逆襲"が始まります。

そんなワケで、今シリーズにおける重要部分、そして作品全体の上でも大きなキーポイントに位置づけられるであろう、ニコ・ロビンの過去の物語。彼女の20年前に何があったのか、何故故郷のオハラが滅びるに至ったのか、そして何より、かねてから彼女が追い求め続けている"歴史の本文ポーネグリフ"とは一体何なのか、その一端が明らかにされたワケですが…いやぁなんだろうね、幼少時のロビンが遭遇した事件は確かなまでに凄惨な出来事でしたが、それと同時に、彼女が探求する過去の真実にはまさに世界の歴史を感じさせる壮大な"背景"がありましたねー。現在の世界政府と、それと戦ったらしき"王国"の存在、そのへんもまぁスケールを感じさせる部分ですが。それよりも過去を知り、それを紡ぎ、未来の世代へと渡していく、そのためにクローバー博士を始めとしたオハラの考古学者達は命を賭けて今現在の"世界"と戦った、そちらの方にこそ大きな歴史、人の生き様の積み重ねを覚えます。仮に世の法がそれを禁じようとも、過ぎ去った先人達が未来に託そうと願い遺したものであるのなら、その思いを受け止めて真実を明らかにしようとする…それはまさに、本作において最たる大人物である海賊王の言葉でもある「受け継がれる意志」を体現したモノだと言えましょう。

そんな「受け継がれる意志」を引き受けた者は、トムさんから古代兵器・プルトンの設計図を託されたフランキーもまた同じ。もしかしたら訪れるかもしれない最悪の未来を回避するために、過去から脈々と継承されてきた兵器の設計図、本来ならば遺すべきではないだろうソレを、危険を承知でトムさん、アイスバーグさん、そしてフランキーへ、彼ら以前からも長い年月を経て託され続けていたのは、設計者のひとつの願いがあったからこそ。ここにもやはり、人がいる限り・人の世が続く限り決して絶える事のない「受け継がれる意志」が、強い輝きをもって存在しています。

ロビンの話に戻しますけど。世界政府の闇、それに押し潰され滅ぼされたオハラ、ようやく出会えた母親や"D"の名を持つ友人とも引きはがされ、その後に続いたのは20年もの孤独の日々… そんな自分を受け入れてくれた麦わらの一味は、彼女にとってようやく見つかった本当の仲間だったのでしょう。ルフィたちに出会えてどれほど彼女の心が安らぎを覚えたのか、もう想像も及びませんね。そしてだからこそ、そんな自分をいつか重荷に感じて捨てられる事を何よりも怖れた。だからこそ、もうここで死んでしまいたい、人生を終わらせたいと願ってしまった。だがしかし、それほどの絶望から救って見せたのもまたルフィ以下・麦わらの一味自身。世界そのものが仲間の敵であるのなら、その世界を敵に回して仲間を選ぶ、それが彼らのやり方でした。…ちょうど本レビュー執筆前に既刊を1巻から読み返したのもあって思い出したんですけど、海上レストラン・バラティエ編でギンが言ったんですよね、「(ルフィを)見てると打算やためらいだとかがバカバカしくなってくる」と。今回の出来事もまさにそれ、打算とかあったら絶対できませんよあんな宣戦布告。そして何より、先だってのセリフはルフィひとりを指しての言葉でしたが、今回は全員一致しての意志でソレが決行されたワケで。これだけの鉄火場だからこそ、船長・麦わらのルフィの生き様を一味全員で体現したとも言えていて、そーしたデタラメとすら言っても良いだろうカタルシスの吹き飛ばし具合がなにより、本作の少年マンガらしさを描き示してもいますねー。

さぁロビンも含めて全員の目指す所は完全にひとつとなった! あとは敵をぶっ飛ばして奪われた全てを奪い返すのみ! エニエスロビーの戦いはここからが真の開幕です。



▽自薦名場面 ― 197〜201ページ

 「ロビンの敵はよくわかった!
  そげキング。            「ん。
  あの旗、撃ち抜け」         了解!!」

 (中略)

 「――必殺…"火の鳥星ファイアバード スター"!!!

 「…………!!!」  「………まさか」

 『あ… ……ああ!! ……… あいつら… やりやがった…!!
  旗への攻撃の意味がわかってんのか………!!?

  やりやがったァ〜〜!!!!

  海賊達が…!!! 「世界政府」に!!! 宣戦布告しやがったァ〜〜!!!!』
 「正気か貴様らァ!!! 全世界を敵に回して生きてられると思うなよォ!!!!」
 「望むところだァ――――――っ!!!!

やー、ホント言うとこの直後のシーンとでどっち取るか迷ったんだけど、本誌連載で当初読んだ衝撃に従ってコチラをセレクト! 海賊・麦わらの一味、ロビンを救うため・たったひとりの仲間のために、世界の法の中心の島・エニエスロビーで全世界を敵に回した宣戦布告!!!! この場面はつくづく、そげキングとの短くも重厚なやりとりから続く"間"の取り方、そして最後のルフィの大宣言まで、一連の流れが死ぬほど爽快なんだよなー(感嘆) ただひとつだけ、あえて不満を言わせてもらえば、ここで旗を撃ち抜く技は火の鳥星ファイアバード スター」ではなく「火の鳥星ひのとり ぼし」であってほしかったってのが、どーしても。あの場にいたのはやはり、麦わらの一味のウソップではなく助太刀に現れたヒーローのそげキング、って印象が個人的にあるのよねぇ、その1点だけが絶妙に惜しく感じてしまう場面でもあったり(苦笑)



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2010/04/13