×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。



感想・漫画編。

ONE PIECEワン ピース 38

著者:尾田栄一郎

出版元:ジャンプコミックス


海賊マンガ38巻。前巻に続いてフランキーの過去エピソード・エピローグをはさみ、ここでようやくロビンの真意も明らかとなって、W7編はいよいよ次なるステージへ。ところでこの巻、めずらしく表紙絵とカバー裏の絵が全然違うんだけど何でだ? まぁ作者としても特に理由無くやったんだと思うけどさ。ワリとそーゆうタイプっぽいからなー、尾田さん。

さてW7編の第1部クライマックスとでも言うべき今巻の内容、その盛り上がりに合わせるように、ほぼ全話それぞれに絵的にも作劇的にも見所がそろい踏みしてるとゆー、まさに怒濤の展開といった様相を呈しております。順番で雑多に取り上げますと…カクによって無慈悲に海へ放り出されたメリー号とウソップの悲痛な叫び、自分のすべてを犠牲にしてまで貫こうとしたロビンのたったひとつの"願い"の真相、この鉄火場のウラで「ハサまった」ふたりとゆー緊迫の抜き方も実は見物ですし、干上がる海とゆーアクア・ラグナの常軌を逸した兆候、ロビンの隠された思いと覚悟を涙で叫び語るナミ、そして襲来したアクア・ラグナ、ロビン奪取へ向けて改めて決起するルフィたち、そして姿を現した第2の海列車・ロケットマン、ほんの数時間前までの諍い(※実はそうなんだよなぁ…)もいったん忘れて組まれる麦わらの一味・ガレーラカンパニー・フランキー一家の連合、文字通り力尽くで大津波をぶち破って活路を切り開く面々、すべてを聞いてさらにおのれを高ぶらせるサンジ、そして最後に登場するのは…! ――とまぁ、息つくヒマもない燃える作劇ココにあり、ってなモンです。

これら事態の中心となっているのがやはり、ロビンの真相なワケでして、いままでずっと不透明だった彼女の行動の真意がハッキリした瞬間から、まさにモヤが晴れるかのごとく物語的にも一気に、ルフィたちの迷いも消えてドンドンと前へ進めるようになるとゆー、このへんのカタルシスの組み方は"さすが"と思わされる点ですね。今後の目標としても、たった1点・ロビンを取り返すというコトで明確にされてるワケで、ソレに対する障害がCP9の連中でそのボスがルッチだ、と、良いイミで単純化された構図に回帰しているのもポイントでしょうか。ま、ソレも次のステージに移ってからまたイイ具合に混沌としてくるワケですが(笑)

さて、個人的なもうひとつの見所が各キャラの動き方でして。この巻では中でも特に、ルフィとサンジに目が行きますな。まずルフィ、海賊団・麦わらの一味船長キャプテンとゆー肩書きに相応しい行動・言動が光っております。ロビン奪取の道にどれほどの脅威がふさがっていようと立ち向かう意志をみなぎらせ、その意志がココロさんを、アイスバーグさんを動かし、海を越える唯一の手段を引き出しました。そしてそのロケットマンの中では、思わぬことからガレーラ&フランキー一家との結託に、見事な口上を持って全員の意志をまとめ上げましたしね。このへんの威勢というか先頭切る姿は、彼の持つカリスマ性を改めて感じさせてくれますねー。

そしてサンジ、地味だけど彼の取った行動は何気に拍手モノだと思うのは私だけでしょーかね。読者視点だけから見ると、海列車の駅で待ち伏せていたのはヤケに単純な行動だと映るかもしれませんけど、ロビンの行動についてほとんど不透明な状態のウチから、かつ島に迫るアクア・ラグナという事態や出航できるのは海列車のみ、といった情報もほとんど無かっただろう中で、たった1点、駅で張り込み続けて目当てのジョーカー(ロビン)を見事引き当てたワケで。そのあとも、ギリギリまで海列車にあえて乗り込もうとしなかったのは、ロビンのことでまったく分かっていない状態からの判断としてはかなり冷静なモノだったと思いますし、まぁ列車の中で速攻暴れて見つかったトコはオマエなにやってんだ大賞ですけど(笑)、子電伝虫を用意してナミたちの"本隊"とやりとりできるよう計っていた計算高さはやはり大したもの。作劇全体を見渡すと、地味というか普通な動き方にも見えますが、でも彼自身の立場・持ってた情報を鑑みると、今巻の隠れたMVPと言ってもイイくらいの活躍を、サンジはしていたんじゃないかと思うのです。



▽自薦名場面 ― 204〜205ページ

 「"メタリック・スター"!!!」 「うわァ!!」

 「「誰だ!!!」」

 「――話は全て彼から・・・聞いたよ。
  お嬢さんを一人…助けたいそうだね。
  そんな君達に手を貸すのに理由はいらない。私も共に戦おう!!!

  私の名は、"そげキング"!!!!

巻末・本編ラスト2ページより、絶対の窮地に推参した我らが英雄ヒーローの雄志!! 素晴らしい、本当に素晴らしすぎる、彼の正体が何者なのかはまったく分からないワケだが、とにかくこの発言から出で立ち、登場タイミングに至るまですべてが格好良すぎてたまらねえ。ちなみにジャンプ本誌連載時、このシーンに写植で追加されたアオリ文は「救世主登場!!」だった。なんと的確な1行か。



第39巻>

<第37巻


<<コミックレビュー



2008/12/26