感想・漫画編。

ONE PIECEワン ピース 34

著者:尾田栄一郎

出版元:ジャンプコミックス


海賊マンガ第34巻目。デービーバックファイト編がサッサと終了して、次なる長大編展開であるウォーターセブン編に突入開始。どんくらい長いってコレ、この巻の半ばから実に45巻の半ばまで、都合11冊にも渡るエピソードだからな〜。連載期間にすると、ゆうに2年を超える分量。まぁ、その超絶ボリュームに相応しいだけのシナリオ展開が目白押しではあるのだが…そうは言いつつ、やっぱ長すぎるよねぇ(苦笑)

てなワケでW7編ですけど、ひとまずはその前の内容にも触れていこーかと。とりあえずDBF編の最終戦はどーでもイイとして(←酷。…遂に先行登場した海軍大将・青キジの異常なほどの強さときたら。麦わら海賊団トップ3をいとも簡単に蹴散らし、なかでも一騎打ちを仕掛けたルフィを、まさに赤子の手を捻るがごとく完封させるこの実力。またソレと同時に空恐ろしさを感じさせるのが、一面の海を一瞬で氷結させた悪魔の実の能力ですねー。本来、悪魔の能力とは海が弱点であるハズなのに、"天敵"である海を御するほどの出力を発揮するって、ソレどんだけのハイレベルですか(大汗) まぁココは設定より演出を重視させた可能性もありますけれど(※基本的にはそーゆうタイプの漫画家だからなぁ、尾田さんって)、ソレでも上記の実力を見せつけた青キジには、まさに「海軍最高戦力」の呼び名に相応しいバケモノっぷりを思い知らされます。今はこのザマとは言え、将来的に勝てるんだろーか麦わらの一味は。エネルの時もそーでしたけど、自然ロギア系の能力はマジで、特有の弱点を見つけないと勝ち目がまったく見えてきませんなー。

続けて、いよいよスタートになるW7編ですか。先んじて登場する世界で唯一の海列車パッフィング・トム、無数の水路によって交通がなされ、水没した地盤の上に成り立つというウォーターセブンの街並み、その島の"中心"として様々な職人が大数の船を造り生み出す造船会社ガレーラカンパニーの佇まい、他にもこの島の近隣にあるという他の島々から来る文化etcetc…… コレまでにも、アラバスタや空島などで、大冒険物語に相応しい新たな島に広がる未知の文化模様は多種描かれてきてますが、それらの中でも今回描写される水の都の様子については、より一層の詳細な舞台設定による描写・作劇がなされているのだと思い知らされます。いやーコレ、連載前の資料集めや設定構築にどんだけパワー費やしてたんでしょーかねぇ。こんだけじっくり細かく島のアレコレを描いてんだもんなぁ、今になって振り返って、都合10巻越えのエピソード展開になったのも頷けるってモンですよ。そもそもがこの舞台にしても、ONE PIECEという長編作品の中のいちエピソードでだけ使用される舞台設定でしかないんですからねぇ、贅沢なやり方とゆーか、豪華なマンガだわ本作って。

豪華と言えば、若干ハナシずらしますけど、この巻ってアレやコレやで見開きシーンが何気に多いんですよねー。作画面にも豪華さ、もしくは充実感を覚える内容になってます。って、30巻も過ぎたマンガで今また充実感を感じるってのも凄まじいな…

ようやく辿り着いた船大工の集う街で、長く酷使してきたゴーイングメリー号の修繕が念願適うと思っていた麦わらの一味。だが彼らに告げられたのは、船体復旧の朗報などではなく、その真逆、メリー号のリタイヤ宣告だった。思いがけない波乱から始まった長大エピソード・ウォーターセブン編、出会いと別れが重なり合う今回の物語は、今まだ始まったばかり――



▽自薦名場面 ― 183ページ

 「なァ ナミ、やっぱ一度船に置いて来ねェか?」
                       「おい、おれは少しショックだぞ。金から離されて」
    「――それは手間よ… 大丈夫、船大工に会いさえすれば。修理代の査定の為に
     すぐ船に戻ることになるから」

 「そうか、それもそうだな」

 「おい見ろあそこ、"水水饅頭まんじゅう"だってよ!! 1000コ買おう」「黙れ…

締まりのあるシーンはいくらでもあるんだけど、そこであえて自分の好みを優先してギャグシーンを選出する(笑) つくづくこの一味の航海士は強いな、つーか最強だよな実際。船長になら多少反抗したって大した問題にもならんけど、彼女にだけは万一逆らったらもう命が無いからなぁ(大笑)



第35巻>

<第33巻


<<コミックレビュー



2008/03/20