感想・漫画編。

ONE PIECEワン ピース 26

著者:尾田栄一郎

出版元:ジャンプコミックス


海賊マンガ26巻目。空島・スカイピアに、麦わらの一味到達。当に文字通り「雲海」広がる天空の秘境を舞台に、海賊団の冒険とバトルが再始動。ところで、この巻では世界各地で翻訳されてる本作について紹介してるけど、セリフは元より国それぞれに合わせて描き文字も修正してるのは実に大変な労苦だなー、と。原稿自体を手直ししなきゃならんのだものなぁ、昔はバックの字にルビ振ってたそうだけど、今はその辺も変わってんだね。

今巻のメインポイントは、やはり空島という独自の世界をどう描いているのか、その描写の様ですかねぇ。まずは一面真っ白・雲の海での航海とゆートコロから。その島雲なり海雲なりも一応の理屈を付けて形作られているモノとしてますが、ふと視点を変えるとコレ、子供の頃に誰でも一度は思ったことがある「雲の上に乗ってみたい」という願望をマンガの中で実現させた結果なのかもしれません。尾田さん自身たびたび、「マンガとは夢を描くもの」と発言していることですし、そう考えると奇妙なロマンすらココに覚えてしまったり。もうひとつ、空島編での重要アイテムであるダイアルですな。様々な機能を持つ貝殻によって培われた文化とゆーこの空島世界、航海で巡る島々毎にそれぞれ千差万別な文化・風土を持つのがこの”偉大なる航路グランドライン”という領域でしたが、この空島は更にそこからも大きく異なる場所である、というコトを明確に表している、また示すためのアイテムだと言えましょう。ソレとまた加えて、空島が変わった世界だってのを示す描写には、へそとゆー珍妙な挨拶も含まれるかと(笑) まぁ単にギャグ描写なんですけど、でもこの言葉ひとつだけで、空島がまったく違う文化だってのは確かに伝わるんですよねー。

他にも他にも、相手の心の動きを読み取る”心網マントラ”なる特殊能力、早々に明らかになった今回のステージラスボス ゴッド・エネルと、その神によるまるでなんかの秘密兵器みたいな強烈・強大な天からの”裁き”etcetc。あらゆる事々が青海とは違う、とても一筋縄ではいきそうもない空島での冒険、壮大な物語はまだまだ序盤でゴザイマス。

あ、最後に少し。138ページのウソップのセリフ、コレが後々のメリー号についての伏線、とゆーか運命を示すモノなのですが。想像するに、メリー号の行く末自体は連載初期から決められていた事だと思われますが、その顛末についてはこの頃から大筋を考えていたんでしょうね。まぁ、ソコについてはまだこの先、10冊20冊近くを重ねて描かれる物語なのですけど。……なんにしても長ぇな〜。 ( ̄▽ ̄;)



▽自薦名場面 ― 72ページ

 「ウソップのアホー!!!」「イヤ何でおれだよ」

イヤまぁぶっちゃけこの巻は大した見せ場は無いんだよね(微苦笑) てなワケで普段より軽く、ギャグシーン中で気に入ってるのを選出。んまぁ、今回は選ぶのあえて止めようかとも思ったんだが、でも好きなシーンが無いでもないから。このコマはウソップのスローモーションつっこみに味がありますな。てか、ウソップを馬鹿にする意味皆無だろ海賊王(笑)



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2007/09/17