感想・漫画編。
ONE PIECE 24巻
著者:尾田栄一郎
出版元:ジャンプコミックス
海賊マンガ第24巻。アラバスタ編のエピローグをはさみ、また新たな長編エピソード・空島編がスタート。この巻はまぁ、前哨戦のジャヤ編だけどな。そしてさらに、ビビと入れ替わるようにして考古学者のニコ・ロビンが麦わら海賊団に参加。彼女、私の個人的見解ではゲストクルー(※物語途中で船を降りる仲間)として解釈してんだけど…コミックスが45巻を越えてもまだ、その辺確定してないんだよなー。単純に考えれば、私の予想は外れてるんだろーケド、まだ”疑い”は消せないんだよねぇ。む〜ん、どっちなんだ。 さてはて、前巻まではひとつの国を舞台にした壮大なスケールの物語を展開しておりましたが、続くこの巻では絵の描写でドデカいスケールを描いてますねー。まぁ空島編の全体で読み捉えれば、物語自体もスケールが壮大だってのは火を見るまで無く明らかなんですけど、まだ開始直後のこの巻のみではその辺伝わらないですしねー。とりあえず今巻は、アラバスタ編の完結によりいったん落ち着くといったコトも無く、空から大型ガレオン船が降ってきて・サルのサルベージ海賊団(笑)が出張ってきて一悶着を起こし・島みたいなサイズの巨大ガメが船ごと全部食っちゃって・締めくくりに登場したのが空さえ埋め尽くす超巨大人間ときた。たたみかけるよーなコレらの仰天描写が、これから始まる大冒険の幕開けを予感させ、ストーリーの先行きを存分に期待させる作劇となっております。まさに、「この後なにが起こるんだ?!」的な、ね。いきなり空島なんて単語が飛び出すトコもそーだよなー。 そして中でもとりわけ、これら新展開の口火を切るカタチになる40〜41ページのガレオン落下シーンは、同シーンに添えられているコメントと相まって実に印象的な場面でして。イヤね、本作を読む前からこの哲学的思想(?)の存在ついては知ってたんですけど(※マンガ内の言葉でなく、現実のどこぞの学者の言葉に実在してるのである。確か「人が想像する物事は宇宙の何処かで現実として存在しうる事である」とかそんなのだったよーな。細かいトコは忘れたが大意は同じやね)、ともあれ前々からこの「考え方」は好きだったんですよねー。空想は宇宙全体で見れば空想ではなくなる、とゆーの。このONE PIECEの物語世界すら、大宇宙の何処かでは現実に在るのかもしれない、それほどの”スケール”をこの「宇宙」なり「世界」なりは抱えうるのだ、と。その計り知れない”広さ”を想って、また想像心が刺激されるんだよなー。 前半の感想ばっかになっちゃったけど、後半についても少し。ハイエナのベラミーが語る「海賊が夢を見る時代はもう終わった」とゆーセリフ、前にクロコダイルがルフィの海賊王への野望を笑って捨てた事と継続してるんでしょーけど、シッカリ読むと含意は若干違ってるよーに感じられますな。クロコダイルが言ったのは諦めるべきくだらない夢で、ベラミーはハナから切り捨てるべき滑稽な妄想としてあざ笑ってる…のか? まぁなんにせよ、そんな風に考えている連中こそを「取るに足らない相手にするべきですらない奴ら」としてケンカを買わずに捨て置いたルフィ達こそ、本当ホンモノの「夢を追う者」だと言えるのでしょう。ともあれ、ベラミーとの”決着”は次巻に持ち越しってコトで。
「アイツらの言う"新時代"ってのはクソだ。 人の夢は!!! 終わらねェ!!!! そうだろ!!? 人を凌ぐってのも楽じゃねェ!!! 笑われていこうじゃねェか。高みを目指せば出す拳の見つからねェケンカもあるもんだ!!!! ゼハハハハハハハハハ!!!」 今はまだ正体不明の男のセリフ、「夢」を語るその様。うん、このシーンは単純にセリフの圧倒感に惹かれたってだけなのよね、実のトコ。ただ、ソレだけのことながらもこの言葉には強い”何か”を感じてやまない面も確かにあり。つーかこの男は次巻で正体が判明すんだけど、この発言を見るとどーにも「あるポイント」について信じられなくなる気持ちが出てくるんだよなぁ。ま、このコトは次巻のレビューでしゃべるべきか。 |