感想・漫画編。

ONE PIECEワン ピース 21巻

著者:尾田栄一郎

出版元:ジャンプコミックス


海賊マンガ、コレにて第21巻。前巻に引き続いて、サンジ・ナミ・ゾロら3名の対決模様が描かれていきます。にしてもこの巻のカバー裏、なに遊んでんだ尾田栄一郎。ふと思ってめくってみたら爆笑しちゃったじゃねーか。

ではまず、サンジVSMr.2・ボン・クレーの対決カードから。いやまぁ、「から」と言ってもさほど語ることも無いんですけどね) マネマネ能力でナミの姿になられて翻弄されるトコとか、そもそも対戦相手自体がギャグキャラみたいなモンですしねー、イマイチ決まり切ってないとゆーか。まぁ両者が繰り出す蹴り技の応酬シーンは、スピード感があってなかなかの見物ですが。

続いて、ナミVSミス・ダブルフィンガー。天候棒クリマ・タクトとゆー新装備の後押しもあるんですけど、実はメイン張ってバトルに挑むのって今回が初なんですよねー、この航海士。ま、これまではどーしても、単純に戦闘の員数外になってたり、参戦したとしてもサポート役ばかりが回ってきがちだったから、流れとして仕方無かったんですが。ともあれ、気象を操る不思議棒(←海賊王的表現)の能力をフル活用して行われる彼女のバトル模様は、ちゃんと化学的な考察にのっとった部分と、反面マンガとして割り切った部分(※蜃気楼の像に対して攻撃が当たって見えるのはオカシイ、とか)とが合わさった描写により、他のメンバーには無いトリッキーな戦闘として描かれていきます。

そしてラスト、ゾロVSMr.1。まぁぶっちゃけ今巻最大の注目バトルですな。鉄のカラダを持つ相手に、「これこそ望んだ窮地」と言い放ち、今こそ鉄を斬る男にならんとして強敵に挑むゾロ! 自身の持つ悪魔の実の能力に確かな自負を持ち、それを裏付けるだけの強力な実力を誇るMr.1、通常の斬激が何一つ通用しないこの強敵を前に瀕死の重傷を負わされるゾロ。生きるか・死ぬか、勝つか・負けるかの境地に立たされた彼が見出したのは、万物に宿るそれぞれの”呼吸”。崖っぷちの領域に達したことで遂に会得した彼の剣は、勢いよく振るってみせても草木を斬らず、また逆に乗せ置くような動作だけで岩石を真っ二つにできる”意志”を宿すに到る。おのれの真の実力を図るため真っ向挑んだ最後の攻撃は、三刀流のゾロが初めて見せる一刀の居合、Mr.1さえも断ち切る乾坤一擲の一閃!! もともとから強いロロノア・ゾロという男が、とてつもない強敵に対峙することで、今まで以上の強さを望み・手に入れる。更なる高みへと昇ってゆく強者の有様が、この対決カードで描かれています。



▽自薦名場面 ― 184〜185ページ

 「礼を言う

そんなこんなで、今回は収録ラストの見開きページより。想像を超えた強敵との対峙、瀕死の中で掴んだ剣の極意、それらの果てに得られたひとつの勝利と新たなる強さ…そのとき彼の口から出たひと言は、自分を殺しかけた男への深い感謝のセリフだった。あまりにもシンプルで、だがそれでいて強く強く込められた想いが伝わってくる、実に印象深いセリフとそのシーンです。



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2007/03/30