感想・漫画編。

ONE PIECEワン ピース 17巻

著者:尾田栄一郎

出版元:ジャンプコミックス


海賊マンガ第17巻。ドラム王国編が終了、そしてそのまま「シリーズ最初の決戦」とでも言うべきエピソード、アラバスタ王国編へ。まぁ今巻収録分は、まだまだプロローグだけどねー。ともかくも、麦わら海賊団クルーに待望の船医・チョッパーが仲間入り。

とりあえず今回の主な内容はワポル達とのバトルですが、なんともアレだ、今回の敵は心の底から小物だよなー。ルフィ達を相手に、持ち前の武力以外にはただただ権威を振りかざすばかり、ぶっ飛ばされる直前になってもクチにするのは地位や権力がどーだとか、そんなんのみと来た。コイツはもう、完全に「自分は王様だ」とゆーたったそれっぽっちのコトだけが自分を取り巻く”世界”の全てで、そんな「王様」の持つ価値観がまったく通用しないルフィとゆー「海賊」に完全に敗北を喫するのは、これはもう当然の結果とゆーモンですな。104〜105ページでの「誰が偉くたって偉くなくたって関係ない、おれは海賊だ」ってセリフも、この王様にはひとっつも理解できないんだろうねー。だって彼は「王様」で、自分が偉いことが絶対の真理なんだもの。いやホント、ルフィが格上だとかモノが違うってんじゃなく、単にコイツが果てしなく小物ってだけの話ですな。こんなん相手に、先代王が偉大だったからって理由で長年辛抱して仕えてたドルトンさんは、つくづく「人が良い」としか言い様がない(笑)

さて、17巻のメインイベントは、やはりチョッパーの勧誘及び仲間入りまでの展開ですな。でもコレ、ドクトリーヌは「お前達にあいつの心を癒せるかい?」って言ってましたけど、結局のトコ、実質的にチョッパーを癒して救ったのってドクトリーヌとDr.ヒルルクだよなぁ(微苦笑) ルフィはムリヤリな誘い(ゾロじゃねーけど、確かにこの勧誘はデタラメにもほどがある(笑)でもってチョッパーを「仲間」として迎え入れたけど、コレはどっちかっつったらチョッパーのわだかまりを”解放”してみせただけで、やっぱり彼を本当に救ったのはあの「桜」こそが、としか思えないんですよねー。別にその描写が気に入ってないワケでもないですけど、なんとなくビミョーに引っかかるモノがあるのも確かなトコでして。

さて、今回ぐらいから1エピソード終わるたびに大きな世界設定が少しずつ判明されていくよーになるのが本作の特徴でもありまして。今回明らかになったのは、海賊王の本当の名前、そして「Dの意志」という意味深な言葉。さすが140歳近いドクトリーヌ(※彼女の実年齢は139歳です。間違えると包丁投げられるからネ!)、彼女は何かを知っているようですが、、コミックス40巻を越えてるレビュー執筆現在でさえ、まだこれらが示す真意は片鱗が微かに見え始めた程度。そもそも、現段階だとその名を持つ人物はルフィと海賊王だけしか出てきてないワケですが…さてはて、この”D”は一体何を意味するのか。



▽自薦名場面 ― 164〜165ページ

今回はあえてセリフ抜粋も無し、描かれた絵だけでの選出。イヤもう、この場面の素晴らしさをあえて説明する必要なんてあるだろーか? なんつーのかねぇ、この、モノクロ印刷なのに鮮明なまでの”色”が見えてくるとゆー、なかば凄まじいまでの表現と言うか。もーホント、このシーンについては言葉で語るだけ無粋ってなモンでしょ。とにかく読め、と。そしてこの満開の桜を目に焼き付けろ、と。



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2006/11/22