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感想・漫画編。

鋼の錬金術師 9巻

著者:荒川弘

出版元:ガンガンコミックス


錬金術マンガ、いよいよ第9巻へ。物語の舞台が中央セントラルへ舞い戻り、エルリック兄弟とウィンリィたちにいくつかの再会と別離が訪れる。

てなワケで、中央セントラルでの出来事と言えば何より、ヒューズ中佐の突然の死がまず思い起こされるのですけど。こーして物語上で振り返ると、たしかにエルリック兄弟がその事実を知る機会って今のいままで無かったんですよね。アームストロング少佐とかと顔を合わす機会はあったけど、だからといってその悲劇をいちいち伝えるような人物でもないしなぁ、あの人。この巻の中でも実際、マスタング大佐にその事を指摘されてますし。まぁその大佐自身も、伝える機会に結局言えないという甘さであり弱さであり優しさを持ってしまっているワケで。そんなこんなで兄弟は降って湧いたようにしてその事実を知ることになるのですが、ソレをあろうことかロス少尉による犯行か?、というさらに驚天動地の報道として目撃し、そしてそしてその結末は……ときたもんだ。

まぁこの辺の展開については(本作ではめずらしく)良い意味での"ウラ"が、先のエピソードで明らかにされるのですけどね。にしたってこの時のエルリック兄弟の心中、穏やかじゃないなんてハナシじゃ済まないような問題だよなぁ。ウィンリィについても似たトコロですけど、あれだけ世話になった「年上の友人」とでも言えるくらい親しくした人物が、自分にも関わる騒動に巻き込まれるカタチで知らないうちに殺されたってんですから。159ページでのウィンリィの述懐そのままですが、ついこないだまで元気だと思ってた知人がどこかで唐突に死んでいた、後々になってその事実を知らされた、ってのは本当に怖いとしか言い様がなくなりますね。だって、何かしたい・助けてやりたいと思っても、ソレは全て過ぎ去った出来事でしかないワケですから。まさに"後の祭り"、どれだけ悔やんでも悲しんでもできることはただ泣くことくらいのもの、他に可能なことなんて何も無い。全部手の届かないところで勝手に終わって殺されて、会いたい"あなた"にはもう二度と再会できない……まったく、こんなに怖ろしい事なんてないよなぁ。そしてそれ以上に怖ろしいと感じるのが、それこそがこの世の"ことわり"ってことなのですよね。誰も彼もが勝手に死んでいくし、それをあらかじめ気持ちに準備をつけて・心して受け止められる機会なんて滅多にあるもんじゃない。だから"世界"は残酷で無慈悲なのだ、と。

そんな流れの中にあってまだ、エルリック兄弟は旅を続けます。後悔しても苦しみ悩んでも、「何を信じて進んでいいのか」分からなくなっても、それでも彼らは歩みを止めるワケにはいかない。だって、彼らの思いとは無関係に世は次へ次へと進んでいくのだから。誰かが悲しみに沈んでいるその一方で、誰かは反撃のために戦い始めている、世界はこうして今日もまた回っていく。――物語はまだまだ続いていくのです。



▽自薦名場面 ― 181ページ

ンで、そんな中で名場面に選ぶのがオマケページのウソ予告ってんだからな!(大笑) いやー、ホントはシリアス展開まっしぐらの本編中からちゃんと何か選ぶべきなんだろーけどね、むしろ本編がシリアス過ぎるからこそなのか、今巻中でイチバン好きなのってマジでこの1コマなんだよな。中尉マジ超強ぇ、いっそ惚れそうだ…!!(爆笑)


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2009/02/18