×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。



感想・漫画編。

金色こんじきのガッシュ!! 17巻

著者:雷句誠

出版元:少年サンデーコミックス


魔物の子供達のバトルマンガ、17巻に突入。シリーズでは実質的に初となる長編展開・石版編の完結編。ガッシュチームVS狂戦士バーサーカーデモルトと、ブラゴ&シェリーVSゾフィスのという2カードの決戦に、とうとう幕がおります。

そんなこんなで、大人気少年マンガ「漆黒のブラゴ!!」も遂にクライマックs……スマン、どーしても言いたかったんだ…! ( ̄□ ̄;) だって、この巻の事実上の主役ってどー考えてもブラゴだし。収録順では前半:ガッシュサイド、後半:ブラゴサイドでフツーに別れてるケド、物語の”キモ”を持ってってるのは間違いなくブラゴだし…!

――まー戯れ言はこのぐらいにしといて、順にガッシュサイドの決戦から。最後に月の石を砕いて消えてしまったパティ、皆を護るため身を挺して何度も何度もマ・セシルドを放つティオ、そしてデモルトの気を逸らすためディカポルクで援護に回るキャンチョメと、そんな仲間達の「がんばり」に応えるためガッシュに目覚めた第7の術・ザグルゼム、このある意味トリッキーな新術がデモルト攻略のカギになるとゆー、前巻に引き続きストレートな少年マンガ展開を見せるコチラ側ですが。なんとゆーのか、言ってみりゃあ主人公補正ってんでしょーかね、ココまで追い込まれないと新術のひとつすら出てこんのか、と(微苦笑) 具体的にゆーと、バリー戦あたりなんかで一個ぐらい覚醒してもおかしくなかったよなー、などと思ってしまう私はひねくれてますかね?(笑) 他の連中、ブラゴやウォンレイ達なんて出てくるたびに術が増えてんのにさ。まぁ、今回の場合は自分のみのピンチではない、仲間と一丸となって戦うその中での危機に心が燃え上がったワケで、この辺は「やさしい王様」を目指す彼らしい覚醒の仕方ではあるんですがね。ソレはそれとしてこのザグルゼム、この先の展開で他のマンガにおけるバトル描写と一線を画す強烈に面白い要素として、天才少年・高嶺清麿により駆使されることになるんですが…ま、ソレについては続きの巻で、その時改めて語りましょーかね。

では改めて、ブラゴサイドの決戦、この石版編における本当のラストバトルへ。強力な精神操作によってココを意のままとし、彼女のみならずシェリーの心さえも悪辣な能力によって惑わし、ソレによって苦しむ様を上から嘲笑うゾフィスは、長きにわたったこの石版編、そのラストにブチのめされるのに相応しい劣悪非道なラスボスとして、彼らの前に立ち塞がっていると言えましょう。いやホント、こんだけの外道を最後、文字通り身も心もカンペキに砕いて倒してみせた展開は、実にこう、スカッとしますなー。とは言え、そんなゾフィスの存在も今回の「漆黒のブラゴ」(←まだ言うか)にとっては言ってしまえば単なる前座、真に重要かつ着目すべきはブラゴ&シェリーのパートナーシップにこそありましょう。

これまでは親友・ココを救い出すそのため、もしかしたらソレだけのために魔物同士の戦いに身を投じていたシェリー。そんな彼女の真意をどこかで感じ取りながら、それでもゾフィスとの決戦ではたとえボロボロにされても、王になるというおのれの信念のため、そして何よりパートナーのため敵に立ち向かったブラゴ。だってさぁ、本当に王を目指すだけのために戦うんだったらシェリーの目的なんて二の次にするでしょーよ。さすがに本の持ち主として協力しないといけないとしてもさ。でも彼は自身の身も顧みず、傷だらけにされながらもパートナーを叱咤し、いちどは折れたその心を再び立ちあがらせ、最後の抵抗を見せたゾフィスを脅しまでしてシェリーの願いを叶えさせようとしたワケでして。普段の態度がどうあれど、本心では彼がシェリーのことをパートナーとして認め・好ましく思っていることは以前から明白なんですよねー(笑) 一方でシェリーは、初登場時(正確には2巻か)「必ずブラゴを王にする」と言ったことに、偽りがあったとは別に思いませんが、ココを救い出したその後にこの魔物達の戦いに対してどうしたかは、場合によっては「もしかしたら」が無かったとは言い切れないトコロがあったワケでして。でもこの戦い、ブラゴにとっては本来なら何の得にもならないハズだったのに、全てをかけて共に戦ってくれた、不甲斐ない自分を励ましてくれた、親友を救うために力を貸してくれたパートナーのため、今度は心から彼を王にするという誓いを立て、そしてブラゴ自身も改めてそんな彼女と共に王への道を進むことを決意した。今までの信頼関係は決して偽りではないでしょうが、でもこの戦いを経て彼らは本当の絆で結ばれた、打算も何もない真に対等なパートナーになった、なれたのだと思います。



▽自薦名場面
 ― 99ページ

 「なぜ呪文を唱えねえ!!? あの女が敵とわかったんだろ!? なぜ攻撃しねえ!!?」

 「ぐ…」

 「チッ!!
  好きにしろ、そこで腑抜けてやがれ。
  やはり人間の力を借りること自体間違いだったんだ…

  王には、オレ一人でなる」

心折れたパートナーに背を向け、ひとり死闘に向かわんとするブラゴ。きっと、元々の彼は人間という存在をあまり信じていなかったんだと思うワケよ。でも唯一、パートナーであるシェリーのことだけは、レビュー本文でも言ったように内心で認めていたんではないか、と。でもそんな彼女も、ゾフィスの策略に心を折られてしまった。その不甲斐ない有様は、彼の中にわずかながらもあった人間への期待を失望させるのに、あまりに充分すぎたんじゃなかろーか。そうしてシェリーに背を向け、「一人でも王になる」と言って戦おうとしたその様は、例え失意の中にあっても自らの信念のため試練に立ち向かう孤高な王の姿として私の目に映るんだよねー。むぅ、ちと解説が長くなってしまったが、どこか気高ささえ感じさせる、そんな背中を見せるブラゴの雄姿を今回は選んだ次第。



第18巻>

<第16巻


<<コミックレビュー



2007/12/21