感想・漫画編。

金色こんじきのガッシュ!! 13巻

著者:雷句誠

出版元:少年サンデーコミックス


魔物の子供達のバトルマンガ、第13巻目。遺跡での第1連戦の模様が繰り広げられております。新キャラも今回多め、石版編のゲスト味方キャラとなるアルベール&レイラのコンビと、遂に登場、ウマゴンの正式パートナー・サンビームさんが参戦。

そんなこんなで13巻、まず取り上げるべきメインイベントはウマゴン覚醒!、と言ったトコロでしょうね。いまの今までカンペキにギャグパートのキャラでしかなかったウマゴンが、いよいよ現れたサンビームさんというパートナーと共に、魔物の子らにかせられた過酷な戦いの運命へと挑む! 自らが傷つきそして敵を傷つける事への恐れと、ソレでも逃れきれない魔物との戦い、それらに苦悩し続けたその果てにあったのは、ただただ友達を助けたい・ガッシュ達のチカラになりたいという強い想い。その決意に応えるため、唯一のパートナーはいまこそ魔本に記された呪文を唱えた。それは厳しく険しい宿命の扉を開ける行い、だがしかし、固い決意を抱いたその子はもう、たとえ涙を流そうとも倒すべき敵に向かい立ちあがる! ……いやぁ、熱い!! 熱いヨ、ウマゴン! そのドまぬけな通称(※彼の本名はシュナイダー)が霞むくらい熱いネ!! ま、このイベント直前での、121話前半の描写はぶっちゃけ矛盾だらけなんですけど(だってソレを”ありき”としたら、10巻にあったドロンマの回はなんだったんだ、ってコトになっちゃうし)、でもソコへのツッコミが無粋に感じてしまうくらい、この覚醒イベントは燃えますなー。モチロンこの展開の熱さは、ウマゴンのみならず彼の決意に全力を持って応え共に戦うサンビームさんもいてこそ、一層に際立つイカした様グルービーさなんですけどね(笑)

さてはて、抜粋の順番が前後しちまいましたが、今巻はやはり我らがVことビクトリーム様も忘れてはなりません(大笑) もうホント、なんとゆーのかコイツの良さとか魅力とか、どーにも分析しきれない異様なカリスマすら感じさせますな。何よりも活躍とゆーか暴れまくってる様子を見るに、デザインから性格まで全部ひっくるめて作者自身が気に入ってるのが伝わるしなー。イヤしかしだ、こんなビクトリームでもやはり、かつて石のゴーレンに敗れ去ったとゆーことだけは確かな事実であり。…良くやったゴーレン、よくぞコイツを1000年後の世に残した、グッジョブ。(←メッチャ親指立ててビッグスマイル)

あー、最後にどーしてもまたナゾナゾ博士にツッコミをば。161ページでサンビームさんの元を訪れた時を振り返っての会話、「私は世界一の寿司職人というウソは見抜いた上でnあんた初対面の他人(しかもちゃんとした大人)にナニ言ってんだ。つーか、驚くキッドに対して「ああ、もちろんだ!」ってだからナニを力強く頷いているのか、と。気ぃ抜いた場面だとトコトンすっとぼけたコトしか言わんなぁ、このオッサン……



▽自薦名場面 ― 175〜176ページ

 「あんたはウマゴンと戦ってくれるのか?

 「フム、私も働いてる身だ… 運命さだめとはいえ、できればゴメンこうむりたいが…

  あの子の苦悩を、目の当たりにしているからな…」

 (中略)

  「それに、今あの子を見捨てたら、私は『カッコ悪い』大人だ。
   それは私の主義に反する!!

清麿に語る、サンビームさん自身の秘めたる覚悟。社会人としてのおのれの立場、どう考えても危険しかない魔物達との戦い、でもそれらを打ち払って彼を突き動かしたのは、目の前で見せられたウマゴンの苦悩と決意、そして何より「カッコ悪い大人」にはならないという彼自身の誇りだった! まぁセリフとしてはこのとーり、全体を引っ張っておきたいトコだけれど、やはり今回はこの最後のセリフに痺れるのなんの! カッコ悪い大人にはならない、そう言って敵に向かって駆け出すその姿は、それこそ本当にカッコイイ大人だぜサンビームさんっ!!



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2007/05/07