感想・漫画編。

金色こんじきのガッシュ!! 8巻

著者:雷句誠

出版元:少年サンデーコミックス 


魔物の子らが戦うマンガの8巻目。恵&ティオと遊園地でのタッグバトルと、リィエンへの手助けでウォンレイ救出作戦、あと遊園地編の直前を描いた番外編がひとつ。とゆーワケで、新キャラにリィエン&ウォンレイが登場しました。

そんな感じで、中身がハッキリ2つに別れた内容の8巻ですが。まずはタッグバトル。まぁ敵側もタッグを組んで向かってくるって点も今までに見なかった展開ですが、ソレより実は、清麿&ガッシュが手助けされる側になったとゆーのが、今回が初めてだったりするんですよね。既刊中のパターンでは、虐げられている魔物側を手助けするカタチで(必然的に)タッグを組むことが多かったワケですが、今回はガッシュ達のピンチを救うとゆー流れでティオ達が加勢してくれる、と。かつて助けた少女達が、いつかの約束通り、今度は彼らを助けるために力を貸してくれる。う〜ん、まさに王道的展開と言いますか。ギリギリのピンチに「マ・セシルド」を唱えて現れたふたりは、なんとゆーか、女性ヒーローと呼ぶに相応しい格好良さがありますねー。だけどもなんの、またもティオが襲われるとゆーピンチに、カラダを張って彼女を守るガッシュもまた格好良し。うむうむ、何気にをあげてきてるなぁ、ガッシュも(笑)

では次、ウォンレイ救出編。イキナリどーでもイイけど71話の扉絵、中華スタイルの清麿カッコイイなぁ。顔つき凛々しいから、こーゆー服装が似合うのかも。さておき、魔物と恋仲であるパートナー同士って、何気に彼らが初のケースなんですねー。これまでに登場したパートナー同士ってどーしても、上記の清麿&ガッシュや恵&ティオを筆頭に、兄弟姉妹的な信頼関係の場合が多かったですからね。異性同士で言えばシェリー&ブラゴがいるけど、彼らにしても年が離れてるから、シェリーも生意気な弟を見るよーな目で接してますしねー。ともあれ今回の主役両名。相手が好きだから王を目指す道を共に歩みたいと願うリィエンに、相手が好きだから戦いに巻きこんで傷つけてしまうことを恐れるウォンレイとゆー、ちょっとしたすれ違いを起こすワケですが。まー、これもよくあるパターンと言いますか、結局”ひいた側”が折れてケリがつくっつー部分も含めて、言っちゃ難だけどお決まりのパターンではありますな。ま、そー言いつつもセリフや描写の熱さがその辺を払拭させてはいるから、面白さは別に損なわれてませんしねー。

ラスト、読み切りの番外編も少し。無関係に巻きこまれた恵を守るため、王位を継ぐ者ゆえの誇りを持って我が身も省みず敵前に立つ王女の雄姿! いやー、戦う乙女と言いますか、こーゆーのもカッコイイなー。てゆーかマリル王女、日本にまで追っ手が来るのを知らなかったのは置くとして、自分が狙われてるのぐらい分かってんのに、あの行動はちと軽率すぎやせんか(笑) 件のシーンで挽回すれども、逆に言えばあのシーン無かったらダメすぎるぞ…



▽自薦名場面 ― 136ページ

 「リィエンが大切なら守りやがれ!! おまえがリィエンの盾になるんだ!! 傷一つつけるんじゃねえ!!!」

 (守…る…)  そうだな…皆を守りたい。魔界の者全てを守れる王に…

 「それもできないで何が王だ!? てめえみたいに戦うことから逃げていて、何が夢だ!? 運命や障害に立ち向かわないで何が王だ―――っ!!!」

ウォンレイに「王の道」を問いただす高嶺清麿! その人が大切ならば全てをかけて守り抜け、目指す夢のためならあらゆる困難に立ち向かえ、それこそが王にならんとする者の在り方だ。コレがきっと清麿なりの「王を目指す者の姿勢」なのでしょーけど、ともかくもその魂の問いかけに心動かされ、ついに「守る王」は立ちあがる!! う〜ん、この熱さ、つくづく王道だねー。



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2006/08/09