感想・漫画編。

金色こんじきのガッシュ!! 5巻

著者:雷句誠

出版元:少年サンデーコミックス


魔物の子供のバトルマンガ、第5巻。イギリス編がスタート。このマンガ、劇中での時間・季節がちゃんと追って経過してるんだよな。ワリとめずらしいマンガ作品かもね。

まぁ、イギリス編と言ったところで、いつもどーりにショートエピソードの連続で進むだけだから、新展開って感じはほとんどしないですな。だから、エピソード部分で目を向ける部分はこの巻でもそんな無かったりするんだけど。その代わり、キャラの成長模様は何気にシッカリ描かれてたりしてるのが、今巻の内容ではなかろーか、と。ま、キャラって言っても主に清麿、それに成長ってよりは変化っつった方が正確かもしれませんが。

マンガ読んでる側としては、現在の清麿の姿、弱きを守って悪意を許さぬその『正義の味方』っぷりは、いまやもう何の違和感も無く目に映りますとも。でもそんな彼、劇中で言えば、ほんの3ヶ月前までは・・・・・・・・・・周りの全てを疎ましく思っていたよーな、そんなヤツだったワケでして。それが今や、多くの友達にも囲まれ、人助けのためなら平気でカラダを張れるほどの少年に変わった、変わってくれた。大概の読者が忘れているだろうキャラの”原点”を、キチンと忘れず描いていってるこのスタンスは、ある種の誠実さも感じる姿勢に思います。20巻過ぎた現状でも、この「一番最初の清麿の姿」は忘れず描いてるもんなー。原点と現在とを比べて見せることで、キャラクターの成長度合いを読者にシッカリと伝えてくる作劇。雷句さんの作劇姿勢には、とかく好感が持てますねー。

とか何とか言いながら、この巻では実は合間々々のギャグシーンのほうが好きだったりする私。プロフェッサー・ダルタニアンとかもう最高だね。カバー柱の4コマのオチと合わせた破壊力に至っては、なかなか見ない切り込み方です。つーかダルタニアン、アニメのキャストは玄田哲章さんですから。超・貫禄たっぷり。ファン必見。あと、いっぺん言っておきたかったんですが、このマンガは全力疾走すると何故いつも顔のデッサンが崩壊するのでしょーか。マトモな表情で走ってるとこ見たこと無いんですけど。なんだ、そーゆう物理法則でも働いてんのか、あの世界。



▽自薦名場面 ― 151ページ

 大きく見えたのは体だけじゃなかったか…
 よく成長したな…よくその顔を見せてくれたな…清麿!
 よく清麿をかえてくれたな…ありがとう、ガッシュ!!

清麿パパこと、高嶺清太郎せいたろうの感激。ホコリまみれになりながら、ヒトに肩を貸し頼もしく笑う息子の姿。それを見られたことに、父親としての喜びがどれほどあったことか! えぇえぇ見てください清太郎さん、貴方の息子さんはこんなにも良い顔をするようになりましたよ!



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2006/01/16