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感想・漫画編。

D.Gray-manディー・グレイマン 5巻

著者:星野桂

出版元:ジャンプコミックス


エクソシストのバトルマンガ、5巻目。「孤城の吸血鬼」編の完結と、繋ぎのエピソードを挟んでアレン一行・クロス班は中国へ到着。新キャラには、まぁ敵なんだけどティキ・ミックが登場。あ、そーいや神田が出てくるのって久しぶりだな。アニメだと頻繁に出番あるんだけどねぇ。

さてはて、どっちかと言えばコメディ寄りの路線で始まった「孤城の吸血鬼」編ですが、そのラストではこれまた、実に本作らしいエピソードの締め方をしてきたのが印象深いと言いましょーか。クロウリーとエリアーデ、彼らは互いに心の底から相手を愛し、そして愛し続けていたいと願っていたのに、本能の奥では相手を殺し/壊したいと考え続けていたという、完全なまでの表裏を成す意識。アレイスターは、祖父のコレクションではない、自ら求め・自分自身のためだけにある存在が欲しくて。エリアーデは、アクマの自分には無理だと考えていた、ただひとつの願望を適えられる存在が欲しくて。そうして巡り会った互いなのに、その互いはイノセンスとダークマターという天敵同士であったために、そこには破滅の結末しか許されてはいなかった。この出会いは、願いが叶ったゆえだったのか、宿命に縛られたゆえだったのか、それも分からないままに最後の時は訪れ、「愛していたものを手に掛けた」ことにクロウリーは絶望の涙を流す。イノセンスに見出され・望まぬチカラを持った"化物"に成り果て・心から愛していたものを自ら壊す。その姿はかつての自分と寸分違わず重なったからこそ、愛したものを望まず手に掛けた事に「理由」を与え、苦しみの中でも生き続けろ、とアレンは言った。

少年マンガ的なストレートの勧善懲悪とはまったく違う、前向きな展開・描写とは到底言えないながらも、それゆえ、「神」の示す元に苦しみ悩んでそれでも戦う・戦う他にないイノセンスの使徒エクソシストの姿を、なかば残酷なまでに描いて見せた今回のエピソードは、序盤のコメディ路線からは良いイミで大きく裏切ってくれたラストだと言えましょう。なんつーかねー、この一筋縄ではいかない物語こそ本作の魅力なんですよねー。"重い"っちゃあ重いストーリーなんだけど、ヘンに暗いだけの"重さ"とも微妙に違うんだよなー。新たなノアのティキ・ミックにしても、自分の持つ"白"と"黒"の二面性を、「どっちもあるから楽しい」なーんて言ってるトコとか。うん、やっぱこのマンガ面白いわ。王道少年マンガもイイけど、こーゆー割り切れない物語ってのも好きですねー。



▽自薦名場面 ― 148ページ

 「――感傷にひたるな…
  考えるんだ、勝つことだけを………………」

数多の書類が散乱する中、ひとりたたずむ室長コムイ・リーの姿。いやコレ、一言でいって圧巻。いままで描かれてきたギャグシーンでは、単にゴッチャゴチャにとっちらかってるってだけだったこの部屋が、このコムイさんの姿を描いて見せられた瞬間、希望の見えない戦争に苦しみながら勝利する日だけを願って無数の情報を前に悩みつつも戦う者の部屋に変貌しちゃったんだもの。この印象の変わり様ったら、チョット凄まじいってレベルっすよ? 今巻は他にも選びたい場面が多いんだけど、やはりこのシーンに軍配だなー。



第6巻>

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2007/02/06