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感想・漫画編。

武装錬金ブソウレンキン 9巻

著者:和月伸宏

出版元:ジャンプコミックス


トンデモ兵器バトルマンガ、ついに第9巻目。ジャンプ本誌の連載分が終了、ラスト読み切り前編の『ファイナル』までを収録。最後の主要キャラってことで、ヴィクターの家族であるアレクさんとヴィクトリアが登場したな。まぁ、この期に及んでわんさか登場人物増やされても困るけど(笑)

つーワケで、とりあえず連載の分はコレにて打ち切り終了。おかげで物語の”後片づけ”が一気に行われてしまってますが、まぁソレでもちゃんとまとめられる分はまとめようとしてるトコロに、和月さんの悲しい努力が見え隠れしますなー(笑) 短い描写ながらも、ここでよーやくヴィクターの過去が明示されたおかげで、物語全体と現在に陥ってる事態の背景とがハッキリしましたし。あとバスターバロンVS巨大化ヴィクターの怪獣大決戦も、少々ヤケクソ気味な盛り上がり方とゆー気もしつつ、クライマックスに相応しい大バトルを描いていますしねー。とは言え、結局は読者の人気を強く集められなかったゆえに、打ち切りの憂き目に到ってしまった点は、作者の力不足だったと言わざるを得ませんが。いちおう、ラストエピソードの読み切り2本とゆー機会を与えられるくらいには、人気を確保していたことは確かなのですが。でも連載作品は掲載雑誌で受ける評価こそが最たるモノ、その点で足りていなかったことについては、純粋に本作のファンである私としても、ちゃんと理解しておかなけりゃーならんでしょう。イヤま、連載終わった時はフツーに残念だったですけどね、ホントに(苦笑)

さて、ストーリーの進展についてでは、この巻はヴィクター(一家)の過去がメイン。そこの部分を見てると…なんともまぁ不幸一直線なエピソードで( ̄フ ̄;) まだ平穏の中にいた頃である65ページでは、「錬金術は皆に幸福をもたらすチカラだ」と本心から思っていたハズなのに、その100年後である157ページでは、「錬金術は必ず人類に不幸をもたらす」と本心から思ってしまうほどに、180度スッカリ変わってしまったワケで。黒い核金の未知の力、その”たったひとつの間違い”がひとつの家族を絶望の淵に追いやり、それも当事者達には一切の悪意も無かったハズなのに、戦団を筆頭に周囲がよってたかって彼らに不幸しか与えなかった。なんつーか、そりゃヴィクターもヴィクトリアも、信じていたモノ全てを信じられなくなっても仕方無ぇよなー、と。坂口大戦士長は現状錬金術を心底から信じている側の人間…だけど、160ページの怒りの叫びを前にしては、そりゃ何も言えなくなって当然てなモンですよ。なんせ目の前にいる男は、その信じていた錬金術に全てを奪われ・裏切られたんですからねぇ。

んじゃ最後に、どーしてもつっこみたかった箇所を。あくまでも普段は普通の服着てたのに、85ページ、戦いの時だけは何故にあのフンドシ姿部族風の戦士衣装だったんですかヴィクターさん? アレが戦いに赴くさいの正装だったのか? なんつーか、誰か止めるヤツはおらんかったのか。奥さんとか、少しは疑問を持とーや。



▽自薦名場面 ― 177〜178ページ

 「勝っても負けてもお前はもう生きて帰るコトは出来ない。
  ………その覚悟、一体どこから……?」

 「もちろん!
  あの惑星ほしから

『ファイナル』のラストシーン、月面で対峙する2人の戦士のやりとり。大切なもの全てを自ら手放しても、もう二度とソコには戻れないと、その人達とは会えないと分かっていても、それでもなお青い大地を背にまっすぐ前を向いてそう言い切ってみせるカズキの姿! 「誇り高き戦士の雄姿」なんてぶっちゃけ陳腐な言葉ですが、この時の彼の在り方にだけは、この言葉こそが相応しい。いやー、掲載誌で初めてこの場面見た時、正直心が震えたからねー。

さて、境遇こそさすがに大きく違えど、錬金術に不幸を与えられたとゆー点では、似た立場に置かれていたカズキとヴィクターの両名。実質的に全てを無くした2人の似て非なる部分とは、「ヴィクターに無くてカズキにあったもの」とは何なのか。「誰かオレを守ってくれ」と誰知らず嘆いた彼の願いは、「名前を呼ぶ者は誰もいなくなった」と呟いた彼の憤りは、「キミと私は一心同体」だったのにそうならなかった彼女の悲しみは、最後どこへと向かうのか。全ての答えは最終第10巻、『武装錬金ピリオド』へ。



第10巻>

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2006/08/03