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感想・漫画編。

ARIAアリア 11巻

著者:天野こずえ

出版元:ブレイドコミックス


火星のマンガ、11巻。いよいよシリーズのラストも見えてきましたネ。カバー裏では郵便屋のおじさんの名前が初公開になったけど、「名前の1文字目が"あ"縛り」な本作の中では異例の、名字が"あ"、とゆー御仁。…あぁイヤ、ウッディーも本名は「やのこうじ・うど」だったっけな。

まず51話。姫屋コンビの、天才ではない自分を見つめるとゆーお話。昔のことをスッカリ忘れちゃってる"あの娘"に気を軽くしてもらった、ってのは何より大きいコトではあるワケですが。それでも毎日のように感じていただろう劣等感を、今こうして気軽に、いままた似たような経緯でもって同じ思いを抱えてるだろう"その娘"に話し聞かせることができるのは、これが晃さんの確かな強さなんだと思わされます。つくづく格好いい女性だよなー。

52話。3人娘がチョットずつフラグを進展させてるとゆーエピソード(←違…うと思う。たぶん。) しかしまぁ、暁はもー少しちゃんと電話で相手と応答すべきだと思う。あとギャグシーンにこっそり紛れてアリシアさんの伏線は着実にはってたんだなー、と最終回までを知ったあとで今改めて。

53話。密かにサブレギュラーを担っていた猫妖精ケット・シーとのお別れのエピソード。水先案内人ウンディーネを目指す→着実に大人へ向かっていく→摩訶不思議な"存在"との別離、ってゆーのは、言われると当たり前だけど、どこか本作には似合わなくもあるワケで。でもあえてその別れのお話を描くという部分に、本作が明確な"おわり"へと向かっていく、そういった意志をしかと感じさせてくれるワケで、そういった部分は個人的に強く指示したくなる点でもあります。本作はあの、いつまでもその毎日が続いていくような感覚に良さがあったのかもしれないけど、でもどんなモノにでも終わりはあって、コレはそのひとつなんですよ、とそうシッカリ言ってくれてるみたいな、ね。

54話。まさになんてこともないごくごく平凡な、でもだからこそ楽しい「休日」と。なんだかんだでこのスローライフ的な様子には、やはりこのマンガらしさを感じさせられますな。ところで125ページの音楽プレイヤー(?)、時々こーゆうアイテム出てくるんだけど、この手の明確に現代水準を上回る電子機器を見せられると、本作の舞台が未来世界だってコトを改めて思い出さされますね。とにかく普段はスローライフな日常風景だからなー。あと別に、117ページのソレは何気に社員へのセクハラだと思いますよ社長。

ラスト55話。にして今巻の最重要エピソードともなる回、アリスの"卒業"です。…思うんだけど、ミドルスクール卒業の直後に一人前プリマ昇格って、ひょっとして最年少一人前プリマともタイ記録ってコトになるんじゃないのか? ソコはとりあえず置いとくとして、アテナさんがお客様役という、いわゆる業務ロールプレイを、細かい部分でもシッカリ守って仕事をこなしきれた部分が、アリスにはもうプロ意識が明確に備わっているのだと思わせてくれてなと感じさせてくれる点ですね。その辺の意識が弱い人だと、どーしても身内への接し方が抜けきらないもんなんですけどねー、そういったある種の"甘さ"を自分でちゃんと排除していた部分は、史上初の飛び級昇格に対する説得力を生んでもいたんじゃないかと。何はともあれ、オレンジぷらねっとの新たなる"姫君"に祝福をっ。

最後、あとがきマンガにも触れますか。天野さんの作品にはワリと数多く触れてきた方なので、それぞれのコミックスで女史の愛猫についても読ませてもらってたワケで。そんなことも手伝って、今回報告されたアリアの訃報には、コミックス初読当時は本当に驚かされましたねぇ。そして、現実のアリアは亡くなっても、彼をモデルにしたマンガの中のアリアはいつまででも"そこ"に居続けるというこの事に、リアルとフィクションとの不思議で面白い境界の在り方みたいなモノを感じさせられもしました。こんなトコロにもまた、この作品の"素敵"が潜んでいたのかもなぁ、なんてね。



▽自薦名場面 ― 103ページ

 「――――ずっと…  ここに?

水無灯里と猫妖精ケット。シーのお別れ。正確な選出場面としては、同ページの3&4コマ目なんだけどね。最初から最後まで、"彼"は結局一言も言葉を発することがなかったけれど、最後の別れを前に灯里に見せた、この千の言葉よりも雄弁ななんとも優しい笑顔が、とてもとても心に残るのです。



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2008/12/14