感想・漫画編。
ARIA 10巻
著者:天野こずえ
出版元:ブレイドコミックス
火星のマンガ、ココでとうとう第10巻突入。話数も、番外編を除いて50話到達でゴザイマス。内容は、春も混じってる感じだけど、とりあえずは冬メインのエピソード群で。 では46話から。火星における暦の仕組みを取り上げつつ、アリシアさんの誕生日話。本作はシリーズ途中から知らん間にサザエさん時空に突入していたため、どのへんの扱いによる誕生日なのか分からんトコがありますが(笑) そもそも、シリーズ当初はアリシアさんって18歳でしたからねー(※カバー裏のプロフィール参照。確か2巻だったよーな)、この46話時点でハタチってコトか。合間の2年はどのよーにして経過した扱いになってるのか… あと別に、火星では1シーズンが6ヶ月もあるってコト、考えてみりゃあソレで当然なんだけど、改めて図表にして見せられるとフツーに長いなぁ、と(笑) 47話。なるほど、大人になると子供の頃の色んな"もの"を忘れたり無くしたりしてしまう事も多いけど、その代わり子供の頃には気付けなかったこと・出来なかったことに手が届くようにもなる、ってのは率直に素敵な考え方ですな。このマンガってホント、色々な物事をなるたけ肯定していく作劇なんですよねー、だから自分の感性に合ってるのかもしれません。ソレはそれとして、あの「割れないシャボン玉」って何だ。ソレは既にシャボン玉とは違う存在なのではないだろーか(笑) 48話。水先案内人のもうひとつ別の仕事、トラゲットを取り上げたエピソード。あぁ、このお話でも登場人物の名前は全員「あ」で始まる縛りは健在なんだなぁ、よー分からんトコで"ルール"に忠実なマンガではあるな… 完全な三者三様の水先案内人業に対する姿勢を通すことで、改めて灯里自身の将来へのビジョンを認識させる、言うなれば"将来"を考えさせるエピソードといったトコですか。時にハナシ全然ズレるけど、天野さんの作品で一人称が「あたし」のキャラって初めて見た気がする。大抵どんな女の子でも「私」が基本なんだよな、分かってて使わない漫画家さんなのかと思ってたけど違うのか。あと別に、どーせなら姫屋やオレンジぷらねっとじゃない別会社もたまには出してほしかったり。 49話。なんだかポエムチックなお話ですなー。作劇的にはどこか、番外編とした方が印象近いイメージを抱くのはなんだろか。しっかし、今話でアリア社長が着てるあのオシャレ服は一体。キリン……なのか? ココでついに50話。そして象さんルックの社長は何処へ向かうというのか。エピソードの後半はさらに理解不能なオシャレっぷりデスヨ、アレなんだ、クリオネか? アリシアさんのコーディネイトなのかなぁこれらって…… 閑話休題。まったく叱らないようなコトを完璧な人間だとはまったく思わないけど、駄目だ・違う、と頭ごなしな否定をしないという指導方針は悪くないやり方のひとつだとは思います。うん、あくまで「悪くない」ってだけで、決してソレが正しいとは言い切るつもりもないですけど。なんにせよ、アリシアさん当人にとっては(そして彼女の回りにいる人達に対しても)、ソレがベストなやり方ではあるのでしょうね。時にまたアリア社長に視点を戻しちゃうけど、つくづく天真爛漫なネコだなー社長は。実年齢だけで言えば社内最年長のハズなんですが。実際いくつなんだ社長。 ラスト、番外編『星占い』。でこぼこカップルのお話ですねえぇよく分かりました。…もーイイよ、なんかもうキミらサッサとくっついちゃえよって感じなんですけど個人的には(笑) そしてココでもアリア社長のオシャレ街道は邁進しっぱなしですな、何だアレ、今度のはゴスロリ風味なのか?? 嗚呼、途中で目についてからもう、社長の服装が気になって仕方が無ぇ… てか、仮にもオス猫にそのコーディネイトはどーかと思うんだが……
「――あら?」 「――アリ…シア? 乗せているのはお客様じゃない よっしゃあ! 受け取れアリシアっ!」
「あ… アリシアちゃんっ、お誕生日おめでとう!」 親愛なる友人へ、ハッピーバースデイ。ココの描写の何が気に入ってるって、アリシアさんが乗せてる人物は正規のお客さんではない=多少の粗相を働いても営業的な不届きにはならない、とゆーコトをちゃんと把握した上でプレゼントを投げ渡した晃さんの行動と思考が密かに素晴らしいんだよねぇ。なんとゆーのか、そーいった事をちゃんと考えた上でとれる社会人としてのマナー行き届きが、前巻に引き続き尊敬にすら値する姿勢と言えますなー。 |