感想・漫画編。

ARIAアリア 5巻

著者:天野こずえ

出版元:ブレイドコミックス


火星のマンガ、5巻目。水先案内人ウンディーネ・3大妖精の3人目、オレンジぷらねっとのアテナさんが初登場。って、原作は出てくるのおっそいのなー。アニメ版で早いウチにレギュラーキャラを揃えてきたのは、構成の変更としては正解だよなぁとか改めて思ったり。

では21話から。30〜31ページの見開き、郵便屋のおっちゃんは「嬢ちゃんもすっかり…」などと言ってますが、彼女は火星アクアに来た当初からどっぷりネオ・ヴェネツィア色だったよーな気がするんですけど(笑) あと、ふたりの出会いを振り返るつもりでAQUA1巻を軽く読み返してみたら、灯里の顔立ちがなんか今より大人びてた。イヤまぁ単に描き慣れの問題なんだけどさ。つーかそれよりアリア社長が別人(別ネコ?)だったコトの方が重大かもしれませんが。ナニモノだ、あのネコ。

22話。もともと無口なタイプとは言え、初登場で実質しゃべってる場面がひとつしかないとゆーアテナさんて一体。59ページで灯里が「一日中相手してもらってた」と言ってますが、会話の回数は相当少なかっただろーなぁ(笑) まぁお互い、良くも悪くもまったく気にしてないとは思いますが。

23話。なんつーのか、アルは色々な意味で本当に紳士ですねー。さりげない気遣いや、藍華の微妙な想いをきちんと受け止めていたりとか。確かにこのギャップは、男ながらに藍華がコロッといくのも分からなくもないですな。それにしても、もみ子(愛称)は何気にパソコンっ子だよなー。考えてみたら、作中のモノローグも全部メールの文面って設定だし。なんか、そーゆーアイテムとはイチバン縁遠そうな娘なんですけどねぇ。

24話。3人娘の各先輩たち、アリシアさんは「やさしいお姉さん」で、アテナさんは「気配りの人」、そんで晃さんは「とても良い先輩」だなー、と。なんだかんだで水先案内人ウンディーネってのはやはり紛れもない「職業」であり、ソレを「仕事」として厳しくも優しく明確に指導してくれる彼女は、実に素晴らしい「先輩」だと思います。こーゆー年上に囲まれてる3人娘は、間違いなく「恵まれてる後輩」だよなー。

25話。イキナリですが、「影追い」みたいな風習ってイイなぁ、とか思ったり。昼日中からワインをゆっくりじっくり楽しむって、スゲー優雅でなんか憧れますねー。私も将来歳食ったら、昼間っから蕎麦屋で日本酒を嗜むよーなじじいになりたいとゆー願望が密かにあるのですが(※昼間から飲んだくれたいとゆー意味ではない。いちおう書いとくケド)、この風習をみるとソレを思い出さされますな。それにしても同154ページ、他の店員でさえ分けて運ぶ中、ひとりでテーブル+椅子2脚をいちどに移動してのける店長さんはさりげにカッコいいな。コレもまた紳士的な姿かも、とか思ったり。



▽自薦名場面 ― カバー裏・表面

 「――もみ子よ…」 「はひっ」

 「オレ様は子供の頃、自分が人造人間だと信じていてな」 「

いやー、我ながら死ぬほど思い切った選び方してるなぁとは思うヨ、さすがに。カバー裏のオマケ4コマより。このアホ丸出し(※誉め言葉)な会話自体好きなんですけど、その前にポニ男(愛称)の発言、こーゆー根拠皆無の意味不明な妄想ってガキのころなら誰でも持ってたよな?! や、オレもそーゆーコト考えてたころあったし(大笑) にしてもホント、天野さんに限らずとも、この手の子供だった時の思考を未だに覚えて作品に活かせるプロ作家には、いち表現者として本気で嫉妬と尊敬の念が隠せないんだよなー。



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2006/11/18