感想・漫画編。

AQUAアクア 2巻

著者:天野こずえ

出版元:ブレイドコミックス


火星のマンガ第2巻。火炎之番人サラマンダーあかつき初登場。そーいやふっと思ったけど、このマンガって大元のステンシルコミック版では、いちども見たことねーな。

まだシリーズ序盤ってことで、チョコチョコと火星や水先案内人ウンディーネなどの、舞台設定に関する解説なんぞも多いですな。とりわけ、(この作品中の)火星にどうやって人間が居住できてるのか、の部分。このマンガ、パッと見だと舞台世界の情景や雰囲気を楽しむ・楽しませることに重きが置かれてるようですが、実は「火星に人間が住んでいる」という事について、案外ちゃんと考えて設定を用意(もしくは考察)してるんですよねー。なんつーか、ワリと律儀ですな。つっても、そう言うほどにはキッチリしてるんでも無いんですけどねぇ。なにせ、環境面で起こりうる問題なんかについては、まるっきり描写していないですし。ま、細かくやりすぎるとマンガのエンターテイメントとして狙いがズレはじめるからね、あえて無視してるんじゃないかとは思います。

ところで2巻。なんか読んでて全体的に、感性に訴えるような表現だったり描写だったりが比較的多く感じ取れるんですよねー。110ページのアリア社長とか、164〜170ページの藍華あいかとか、他にもアレやコレやと。これらの部分、ホント感性とゆーか感覚とゆーか、とにかく言葉で説明できるような要素とは全然違うから。私としてもどう書いたらいいかまったく分からんです。なんつーかもう、伝わるヒトにはちゃんと伝わって納得してもらえるんだろうけど、理解できないヒトには一切分かってもらえない、っていうこの感じ。こーゆう、心理描写の機微ってのとも少し違う、まさに感性的な表現って、きっと女性漫画家だからこそ描けるモノだろうなぁ。正直なハナシ、男性漫画家にはまず描き出せないモノだと思いますよ。この、「あぁ、分かる分かる」と思わせてくれる表現・描写は。や、アタシゃ男ですけれども。有無を言わさず野郎ですけども。



▽自薦名場面 ― 92〜93ページ

 「えへへ―――、ラッキーですぅ
  ―――あれ? あれれ?
  ――なぜ? ………………」

灯里が"何故か"泣いてしまうシーン。上のレビュー本文から引き継ぐカタチで、絵的にも気に入ってるこの場面を。このシーンもこのシーンで、なんで涙が流れたのか、個人的には分からなくもないんだよなー。いやホント、この感覚的な感想は、言葉で説明できるもんじゃねーわ。



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2005/05/20