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感想・小説編。

小説ツインシグナルVol.10 未来の始まり
Life makes FUTURE

原作:大清水さち 著者:北条風奈

出版元:エニックス


《観客の心得》
 原作コミックスを完読の方は、このままお進みください。
 未読の方は通読の上、再びのお越しをお待ちしております。
                                    劇場支配人 北条風奈

1ページより


マンガ・ツインシグナルを原作として、そのストーリー構成のみをオリジナルで描いていくという、原作付きノベライズとしては比較的めずらしい部類になる小説版シリーズ。第10巻にして、原作コミックスに先駆けての完結と相成ります。あとがきでは、まぁリップサービスも込みであんなコトも言ってたけど、やっぱりコレにてお開きとなりました。

とゆーワケでTSノベライズの最終巻でゴザイマス。と言っても、前巻のレビュー冒頭で触れてるように、「実質的な最終巻」は9巻の方になるってトコもあるので、”モノ”としては実際のラストだけど、収録されてるストーリー自体に対しては、「コレでお終い」って感覚はあまり持たなかったりもします。てゆーか、あるイミでストーリーが無いからなぁ、この巻の内容。むしろ、ザックリ寸評を述べさせてもらえば、好き勝手書きすぎだろ北条さん、と(笑) 色んなイミでやりたい放題だかんなー、今回。各シーンで事細かに、原作マンガでのセリフを”仕掛け”として構成していってる部分には、既刊以上に凝られまくった技巧も感じさせてくれますが(とりわけ、SF小説の素養がゼロな自分にはより一層に)、悪いイミじゃーないけどストーリーラインのデタラメっぷりがもうハンパ無く、なんかもう筆(キーボード?)の赴くまま210ページを作り上げてるって感じ。後半入ってくると楽屋ネタまで飛び出す始末だしなー(笑) そーゆうの、今までさすがに無かったから、あるイミ新鮮ですな。あと今回の内容、原作のストーリー展開を逆転させてシナリオを進めていってる一方で、(本著の初版時期にはまだ終了してない)原作マンガの完結及びその先についても触れていってたりしてるので、既刊中でも群を抜いて読解力を試される内容になってたりもするのが特徴でしょうか。イヤまぁ読んでてソレは面白いんですけどね、特にシグナルおたくを自負する私としては(笑) ただまぁ、ノーマルなシリーズファンにはさぞかし難解だったろーなぁ。

ま、今回の中身についてはぶっちゃけ感想があまり書きにくいので、そろそろ最終巻らしくシリーズ総括にでも。このTSノベライズシリーズ、これまでにも何度か述べてきたことではありますが、改めて振り返るにやはり、原作コミックスの補完を行いつつも新たな魅力の側面を引き出していこうとする、紛れもない小説版のツインシグナルでした。原作では意図的に描かれなかった科学考証にじっくり触れることで、TS世界に用意されているSF設定の奥深さを知ることができたのは、この小説版あってこそ。また本筋とは完全な番外になる3巻や4〜5巻のストーリーによって、原作の展開だけではフォローしきれない物語全体の背景を読ませてもくれたのは本作。そしてそうした上で、著者・北条さんの独自の文章表現によって各登場人物の心理描写などを巧みに描き出し、より一層の魅力を引き出してもいたのが紛れもない事実です。最初のさいしょは、私や他の読者らと同様のいちファンだった著者が、いちファンだったゆえにツインシグナルの魅力が何処にあるのかを詳細に拾い上げ、それらを小説のカタチで再構築し、原作者にもファンにも存分に楽しまれ・喜ばれる全10巻を書ききった。このように原作の良さを知ってソレを決して壊さず、その上で自身にできる可能な限りの挑戦をすることも忘れなかった本作及び著者の存在は、ツインシグナルに関わる全ての”読み手”にとって幸運なシロモノだったと私は感じます。

いち小説としてもいちノベライズものとしても、どちらの魅力も充分以上に持っている、こーゆー例は探そうったってなかなかありませんよ。そーゆう貴重な経験を味合わせてくれた北条さんに、いま改めて出会いの妙を感じつつ、深い感謝と労いを。さーて、また今度3巻読み返すかぁ(大笑)



▽自薦名場面 ― 187〜188ページ

 「私だって出番がないわよ」

 思いがけないみのるの迫力にオラトリオが冷や汗をたらす。

 「私だって、〈アトランダム〉もリュケイオンも出る権利はあったのよ。だってホントはいた・・・・・・んですもの!」

 両の小さなこぶしを握り、力説する。

 「でも、今回のシナリオだからしょーがないなあって大人になったのよ。それなのにいっ」

 「ああ……」

 「いいわよね。オラトリオは。電脳空間サイバースペースからこっち、出ずっぱりで。どうせ私は子持ちの女よ。可愛い女の子にはかなわないのよ」

まぁなんだ、せっかくの最終巻なんだからソレらしいシーンを選びたいのはやまやまなんだけど、なにぶん内容が無いからなー(笑) つーワケでオモシロ場面からチョイスしてみてコチラのシーンを。なんつーか楽屋ネタのフルスロットルとゆーか、ぶっちゃけすぎです、みのるさん(爆笑) オラトリオなんてもう、なんも言えなくなってるから。あー、そーいや今回のシナリオで全編通して出番もらえてるの、カルマだけなんだなぁ。…コレが作者補正ってヤツだろーか。



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2008/01/18