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感想・小説編。

マリア様がみてる いとしき歳月 後編

著者:今野緒雪

出版元:コバルト文庫


女子校コメディ、通算8巻目。前巻から引き続き、卒業式が中心の内容ってコトで、薔薇さま3人もついにリリアンを立って行きます。あと、白薔薇姉妹の出会いを描いた短編も。

とゆーワケで、卒業式のお話です。前の巻でも同じこと言ってますけど、式本番である今巻を読むとより一層、学生時分を思い出さされますなー。んまぁ、私の場合だと式そのものにはそんな記憶無くて、どっちかっつったら教室でのクラスの連中のやりとりとか、そーゆーのの方が憶えが強かったりするんですけど。ま、そんな私の思い出は置いとくとしても、そんな記憶がにわかに掘り返されるほどに、この卒業式の描写の細やかさとゆーか、様子なんかを丁寧に描いている本文の内容を読むと、筆者の今野さんには改めて感心してしまいますねー。小説にせよマンガにせよ、自分がこーゆー「創作をやる人達」を尊敬してしまう要素のひとつに、学生だのの当時のことを良く覚えてて、それで作品を描いて出すとゆーのがあるんですケド。そんな観点からいって今回のエピソードの中身は、本当に丁寧に「卒業式」を描いているよなー、という思いが実に強いです。私自身は別に、高校卒業に際してノスタルジックを感じたとかそんなのは全然無かったですけど、でも今巻の薔薇さま3人のモノローグを中心に描かれる「ひとつの楽しい生活が終わっていくことへの感慨」は、なんとも言えない懐かしさを伴って読まされるモノがあります。やっぱ描写がウマい作家さんだよなー、今野さんって。

んじゃ、収録ラストの『片手だけつないで』。基本の文体が3人称と1人称の中間みたいな書き方だからってのもありますけど、ソレを別にしても白薔薇姉妹ふたりの1人称となると、文章の感じがガラッと変わりますな。得に白薔薇さまロサ・ギガンティアのパート(?)は。3巻の時もそーでしたが、あーいったキャラ(※性格の意味で)の人物の内面描くとなったら、雰囲気変わって当然ではありますけど。なんてのか、ワリと分からんでもないからなー、彼女の考えたかとか物事の受け取り方ってさ。

しかしなんだ、キャラの動きとして全体的に大人しめな山百合会メンバーを見てると、スンゲー違和感あるのは私だけでしょーか。この回読んでて印象に違い覚えないの、志摩子くらいのモンだなぁ。つーか、彼女だけはシリーズ通しても、そんなに印象変わってない気がしますね。ココでの由乃なんてもう、ネコ被ってるとしか感想の言い様ねーのに。



▽自薦名場面 ― 144ページ

 言い足りない言葉が、まだたくさんあったかもしれない。けれど、すべてを伝えられはしないから。

 『蛍の光』にもあるように、ただただ願うだけである。

 幸せに、と。


 みんな、みんな幸せに。



 この学校で、あたなたちと出会えてよかった。

本編最後のシーン。ここはもう、本当に綺麗に、実にじんわりと、読んでいてこう、穏やかな何かが染み渡ってくるんだよねー。長い人生それぞれに、色んな人と出会ったり離れたり、まさに様々な”縁”があるけれど。そんな中で、巡り会いに感謝したくなれるような人がいることは、本当に素晴らしいことだと思います。今でも付き合いのある人に、今はもう疎遠になってしまった人でも、誰かアナタには「出会えてよかった」と思える人がいますか? …私は何人もいます。面と向かってなんて言えないケドね(照笑)



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2006/09/10