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感想・小説編。

学校を出よう! Escape from The School

著者:谷川流

出版元:電撃文庫

『ピポバポ(口で言ってた)、ああーこちら第三EMPブロードキャスティングセンター。毎度おなじみエマージェンシー放送です。えーとどこだっけ? おーい、有坂ー、書いた紙あったろ、保安部からのやつ。……ああ、これこれ。……ええとだな、旧部室棟一階の『最終定理解読研究会』の部室前でコード・ザキ、想念体そうねんたい発生確認。周囲の対魔班は現在のいっさいの作業を放棄し第一次特例に従って行動せよ。以上放送終わり。パポビポ』

52ページ 事件発生の緊急学内放送より


今回のシーン抜粋、密かにすっげぇ迷いました。なんつーのか、うまい具合に作品を紹介できるワンシーンがなかなか見つからなくてねぇ。ココの部分、意外とずいぶん計算して選出してるから、コレでけっこう毎回タイヘンだったりするのですよ。ホント。

と、何の意味もない管理人の苦労話をこぼしつつ、学校を出ようであります。「行こう」じゃなくて「出よう」なワケです。実際のところ「出よう」とか言ってるのは第1巻だけみたいなモンなのでひょっとしたらタイトル付け方間違ってんじゃねえかとか思わんでもないシリーズ。なんて言うか、一言で表せばムチャクチャ便利な設定の物語ですな。『EMP』という超常能力持ちの高校生達が主役の学園スラップスティックコメディですが、そのEMP能力者ってのが「十代始めに発言して、能力は長くても10年保たない」という事になってるので、必然的に高校生台の登場人物が中心になってくる。普通の物語だったら大人が出てこないのは不自然になりそうなモンだけど、こういう舞台設定だから、大人キャラが出てくるのは逆にオカシイことになる、と。「大人が出てこない必然性」をこういうカタチで解消させるって、なんかウラ技的というか、あるイミ盲点みたいな感じです。しかも「能力発現は日本でのみ」というご都合っぷりにより、登場人物が日本人オンリーでも無問題ときた。いやホント、つくづく便利としか言いようのない設定だなオイ(笑)

さて1巻。この巻だけ(シリーズの主人公っぽい立場にいる)佳由季よしゆきの一人称で書かれてるせいか、読んでて少々違った印象を受けますな。てゆーか全体的に言葉遊び的な描写文だらけですな。こちゃこちゃした特異な言い回しの文章中心、とでもいうか。こーゆーの苦手なヒトは読んでて疲れるだろうなぁ。まぁ自分はワリとこーゆーの好きだけど。オレ自身もサイト上じゃあ言葉遊び的な文章多いですからねぇ。さてソレとは別に、改めて1巻を読み返すと色々と伏線っぽいモノが見え隠れして、少々面白い感じです。どこらへんまで構想練ってシリーズ書いてんだろか、谷川さん。……解決させてない謎を後付けで回してるだけかもしらんが(笑)



▽自薦名場面 ― 293ページ

 春菜はるなと永遠におさらばするか、若菜わかなの学生時代を何年か棒に振らせるか、真琴まことの兄貴とかいうわけの解らない正体不明男についていくのか、僕に決めろと連中は言っている。僕にどれかを選べ、と。一番目と二番目を選択すれば優弥ゆうやが何かするだろうし三番目を推したら真琴と会長が黙ってはいまい。なるほどな。

 「決められるか、バカ」

事態のどん詰まりに極限的な三択を迫られた佳由季の苦悩の図。ココの何が気に入ってるかというと、『最低な状況』を把握したその結果を「なるほどな。」で締めるという、そのへんの言語感覚が気に入ってたりします。にしてもなんだ、ハタから見たらそりゃ優柔不断に見えるかもしらんが……肉親のことだしなぁ、実際こんな選択決めらんないよなぁ。



第2巻>


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2004/12/07