感想・電子遊戯編。
ビューティフルジョー2 ブラックフィルムの謎
発売元:カプコン 開発元:クローバースタジオ
対応ハード:GC
このゲームやってると、「あー、映画ファンだったらきっとこのシーンの元ネタ分かるんだろうなー」とか思わされるワケでして。自分がまったく映画観ないタイプだから、そーゆーコトを踏まえるとビミョウに損してるよーな気にすらなったり。せめて映画フリークを横に置いてプレイしてれば、もっと楽しみ方が増すんだろーねぇ。そんな感じで、ビューティフルジョー2のレビュー、参ります。 最初に総合的な感想を述べますが、前作よりかなり良くなっている。ひとつめに挙げられるのが、2からの主要変更点・シルヴィア参戦によるダブルヒーロー要素。”1”のときと同様に、肉弾戦による近距離戦に長けパワフルなアクションが魅力であるジョー、に対して二挺拳銃による遠距離戦に長けテクニカルなアクションが映えるシルヴィア。この「力のジョー・技のシルヴィア」とでも言うべきどこぞの昆虫系改造人間ヒーローみたいなキャラ区別が、まず真っ先に面白い仕上がりを見せています。これら両名の性能差は実際のゲーム中で如実に現れ、場面によってはジョーではまるで刃が立たない時でもシルヴィアに交代したらアッサリ楽勝みたいな感じで、とても上手く機能している。もちろん各プレイヤーが好きなキャラで進めていくことも可能ですが、基本的に交代を促すようにしている作りなどで、『ダブルヒーロー』を有効に活用・活躍させてくれています。 ふたつめに、ゲーム進行の”区切り”における微妙な変更点。前作では 第1パート・第2パート・ボス戦 という区切りで全ステージが構成され、各パートを終わらせないとセーブできないという仕組みでした。コレがまた、ゲーム全体の難易度を上げていた要因のひとつだったワケですが…今回はこの区切りがステージごとでそれぞれ変化、というかパート分けが全体的に増えたため、セーブ箇所が単純に増えた・1回のプレイ分量が調整しやすい・さらにはステージ総合評価も細分化したため上位の評価を狙いやすくなった、という3重のメリットが生まれたワケでして。ゲームそのものの難易度は相変わらず激っ高なものの、この変化のおかげでずいぶんと遊びやすさ自体が向上しました。 んでみっつめ、シナリオのパワーアップ。正直言って前作のシナリオってほとんど記憶に残ってないぐらい思い出の薄いシロモノだったんですが(苦笑)、今回のはハッキリと面白い。てか、ぶっちゃけ笑えまくり。なによりもシルヴィアがココでまた光っており、知性派な見た目とは裏腹な強烈かつアクティブな性格が完全に主役のジョーを食っております。それ以外でも、『レインボーオスカー』の争奪戦という全体の基本ストーリーは、本シリーズらしい映画的ギミックが利いてて楽しめるし、前作が「ヒーローの世代交代」を描いたのに対し、今回が「ヒーロー(というよりは男)として超えねばならぬ存在を超える」という、ヒーロー物語としても見所のあるシナリオに仕上がっています。 と、そんな感じで全体的に質が向上してくれた本作。ですが、エクストラゲームの「美優亭風流三十六房」が説明書のドコを見ても一切解説されていないのは問答無用で作りとして間違ってるだろ、と。エンディング後に追加されるようなモノならいざ知らず、本編をちょこっと進めただけで即遊べるようなモードなら、多少の説明を載せておくのが当然だろーが。なのに説明書のドコにも、「三十六房」の1文字すら書かれてない有様。おかげでコイツの存在意義も分からなければ、ステージ追加条件の例さえも何一つ不明のまま。説明書のページが足りないとはとても思えないから、単純に掲載するのを忘れたのでしょうが…制作スタッフに率直に言わせてもらいたい。ゲームを遊ばせるつもりがアンタらあるのか? 難易度がどーとか以前の問題だろ、コレって。他がとても良い出来映えだったから、この一点の過ちだけはどうしても残念でなりません。
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2005/02/18