感想・漫画編。
スパイラル 推理の絆 1巻
原作:城平京 作画:水野英多
出版元:ガンガンコミックス
「『ブレード・チルドレン』って、なんですか?」 「―――そう言い残して兄貴が消えた。 126ページ ひよの、歩の会話シーンより
このマンガの特徴が何かというと。いちおう「事件が起きて犯人がいてどーたらこーたら」という基本的な部分はあるんですが、そこへのアプローチとして、犯人もトリックも分かった――さらにその上で思考を巡らせて相手を上回ろうという、「知略を駆使しての対決」を描くことに最大の力を込めている、という部分こそが独自色なんだと思います。本作の特徴比較によく『ジョジョの奇妙な冒険』を取り上げられるんですが(※本当です)、確かに実際そういう感覚。犯人捜し・トリック当てはあくまで本題までの前哨戦であり、そこから先の知略戦こそがメインにして真骨頂。真相が明らかになったその上で、敵も味方もさらなる思考を全力で働かせる。完全なる論理にて相手を圧倒するのは、さあ一体どちらなのか? そりゃまマンガだから勝つのは主人公側なんだけどさぁ。でも、そういう物語の描かれ方がフツーのミステリものよりよっぽど『推理』してるような感じで、そこがとても面白いんですよねー。 そんな中で1巻の内容なのですが。ハッキリ言って全然おもんねえッス。……イヤね、そういう「対決の物語」は序盤じゃぜんぜん描かれなくってね、もうちっと巻数いかないと独自色が出てこんのですよ。1巻はまだまだ、最初に述べたような「探偵役がいて、何らかの事件が起きて、名推理を持って、複数の容疑者の中から真犯人を言い当て、事件を解決させる」というフツーのミステリもの的なお話しかやってないせいで、ロクに面白みが無いんですよねー。作品自体が未熟だし、本作独自の"色"も無いから、あまりに内容がフツー過ぎてつまらんツマラン(乾笑) ま、各登場キャラの"立ち位置"をつかむためにも、とりあえず読んどかなならんのですが、ね。 にしても、なんかオレ持ってるマンガって、巻数こなさないと面白さが見えない作品ってのが多いなぁ… ( ̄△ ̄;)
………アカン、色々探してみたけどやっぱ1巻からじゃ名場面は見つからねぇ… そもそもだ、いちいち「これが論理の旋律か…」とかスカして言ってんじゃねえよ鳴海弟!(←何への抗議だよ) |