感想・漫画編。
クレセントノイズ 1巻
著者:天野こずえ
出版元:Gファンタジーコミックス
「我が王国へようこそ…音に祝福された選ばれし人間達よ」 80ページ 蘭のセリフより
天野こずえさんと言えば、いまやAQUA・ARIAシリーズ(AQUAのレビューはコチラ)が、代表的作品として人気を博しておりますが。確かに同シリーズは私も気に入ってますし、レビューだってサイト上に載っけてます…けれど、ココはあえてハッキリ言わせてもらいましょう。オレ的にはコッチの方が断然上だね。いやホント、あの癒し系コミックもソレはそれで悪かぁ無いケド、両者を天秤にかけたら取るのは絶対コッチのマンガ。個人的にはいまだに、ノイズの連載復帰を願って止みませんもの。やー、ブレイドの兄弟誌あたりで、サッサと第2部シリーズ始めてくれんかねー。ARIAの番外編とか描いてねーでさぁ。 本作で描かれる基本テーマは、「高校生年代の少年少女が織りなす”等身大の感情”が揺れ動く様」ってことで、そのへんは登場人物の心の機微を描き出すのがウマい、天野さんらしい作品ではありますが。このマンガにはさらにもうひとつ、強く盛り込まれている要素があります。それはズバリ、人間が発するという心の音色のチカラ・琴咒を駆使して描かれる超能力バトル。AQUA・ARIAでも定評のある、同作者の誇る画力の高さ。コレをもし、少年マンガらしいバトル描写に持って行ったらどーなるか。その答えがココにあります。さすがにマンガ自体数年も前のモノだし、作品の雰囲気がまるっきり別なので、同列に並べるのには多少の難がありますが…それでもやはり、各キャラの表情の描き方や、ハデな超能力バトルの描写は見応え充分。にしてもなんだろ、コーゆうマンガ読んでるとつくづくオレって”少年マンガ”が好きだってーコトを実感させられるな!(笑) まだ1巻目ってコトで、全体的な雰囲気があまり明るくなかったり、見所もそれほど多く無いしで、どこか不足な部分も目立ちますが。なんだかんだ言っても、このマンガの面白さには間違いは無いハズ。AQUA・ARIAシリーズから天野さんのマンガを知ったヒトには、ぜひいちど読んでもらいたくもあります。
「今日は響はいないようだが―― 「…気安くお前って言うな! 第2話のラストシーン。戦うヒロイン・五十嵐凛ここにあり、といった場面ですな。場面自体はどーってことも無いんですが、蘭に向かって威勢良く啖呵を切る彼女の表情なんかが、ワリと気に入ってたりします。この気っぷの良さが、凛の”らしさ”だよなー。 |
第2巻>