「ロゼ、よく見ておけ。 「――っ………鋼の義肢、"機械鎧"… 「降りて来いよド三流。格の違いってやつを見せてやる!!」 53〜57ページ エドの機械鎧初披露シーンより
読み返してみるとこのマンガの1巻、内容が…ってより情報量がずいぶん濃いですね。普通のマンガだったらエピソード一本の中で設定解説用に何ページかをバスッと割いたりするモンですが(ジャンプなど週刊誌連載には良くありがち)、コレの場合は数コマのセリフだけでさらっと流してたりするのがほとんど。そのワリには(けっこう独特な)錬金術の仕組みや国家の軍としての形体などが、どうなってるのかをすんなりと把握できてしまってる。コレって地味だけどなかなかスゴいと思いますよ。荒川さんってそういう、物語の組み立て方、読者への説明の仕方が上手いのかなぁ。まぁ純粋に一話分のページ数が多いってのも要因なんだろうけど。 さて。そういうことを踏まえるとこのマンガ、アニメ化が早期に決まったことも頷けるような気がします。たしか聞いたハナシじゃ、企画が動いたのって単行本の3巻が出たか出ないかとかいう時期だったそうで。普通そんな早い段階でアニメ化なんていかねーだろ。それが結果出来てしまったのって、やっぱりシナリオの濃度があったからなんだろうな。 それはソレでイイとしても。そうは言いつつ、まだ1巻の内容はそれほど強いて良くもないなぁ、とも思ったりするワケで。別にダメだとまで言わんケドさ。てゆーか原作よりもアニメのが個人的には超えてたりするんですが――まぁすでに完結したアニメ版と、未だ途中であるコミック版を比較しても仕方ないやな。ともあれ、毛色はチョイと渋めの風味ただよいつつ、少年マンガとしてなかなかに良い一品でゴザイマスよ。ええ。
「これからあたしは! 何にすがって生きていけばいいのよ!! 「――そんな事、自分で考えろ。 絶望を目の当たりにしたロゼにエドワードが投げかけた、厳しくも重いセリフ。てゆーか実はこの場面、オレはコマの絵こそを直に見てもらいたい。"すべて"を失ったロゼの表情もあるんだけど…セリフ最後のコマの描写、アルだけ微かに振り返ってるんですよね。エドの厳しさとアルの優しさの対比が、地味ながらも絶妙に描かれてると思います。 |