感想・漫画編。

金色こんじきのガッシュ!! 1巻

著者:雷句誠

出版元:少年サンデーコミックス

「な…? 電……撃…?
 お…お… お…おおお… おまえ、何者だ――っ!!?」

「ガッシュ・ベルと言っておろう」

16ページ ガッシュのザケル発射シーンより


まず何より、掲示板等でこのマンガを薦めてくれたお客さん各位に、この場で感謝の意を表したい。最高に面白いマンガを教えてくれて、ありがとうございます。イヤもうホント、お世辞とか抜きで、この作品を読むキッカケを与えてくれてマジ感謝。かなり本格的に「このサイトを立ち上げて良かった」と思わせてくれました。てなワケで金色のガッシュ、サササッとレビューいきますデス。

本作の類別を示すならば。コレは紛れもない『少年マンガ』です。小学生の読者を中心ターゲットとした、明確なる『少年マンガ』なのです。物語はコレといった奇抜性やヒネリもない、いっそストレートすぎる内容…なのですが。そんなモノは関係ない、こういう作品を何というのか、そうコレは『王道』です。一見クールなようで、誰よりも熱いココロを秘めた中学生の少年 高嶺清麿たかみね きよまろ。そして、いつもは泣き虫ながら、何よりも勇敢なココロを持った魔物の子供 ガッシュ・ベル。そんなひとりの少年とひとりの子供との出会いから全てが始まり、互いが互いを想い、互いが互いのために戦い、どこまでもどこまでも大きく強く、そして誰より優しく成長していく。そんな王道を描いた少年マンガなのです。

ハッキリ言って、「努力・友情・勝利」を基本三原則に掲げるジャンプ作品よりもよっぽど「努力・友情・勝利」してくれてる。……いや、どっちかっつーと「努力」の色はさほど無いかも。言うなれば「熱血・友情・勝利」でしょうか。そのぐらいにどこまでも熱い、この王道一直線の物語よ。もうね、本作を読んでるとつくづく思わされますよ。やっぱオレは「萌え」より「燃え」のヒトなんだなぁ、と。――まー、ゆーても基本的にオレって「萌え」とかあんまし分かってねーんだけどさー(軽笑)

そんな本作。作画においてもその特色を引き立たせるかのごとく、とにかく熱い作画とコマ割り。見た目的には決して映えるような絵、万人ウケする画風ではないかもしれません。が、ソレを補ってあまりあるほどの"パワー"を持った画力が、雷句さんにはあります。そこらへん、(こういう比較って本来したくはないんだけど、)ONE PIECEの尾田さんに通じるところがあるような気がしますね。あと、コッチはホントに余談だけどギャグ要素のことごとくがオレのピンポイント。なんかすっげー波長が合うんですけどこの作者とは。そういう面から見ても、つくづく本作と巡り合わせてくれたヒトらに感謝感激。有り難き幸せ。1巻目だけでもこんだけ良いマンガ、そうそう無いってなぁ。



▽自薦名場面 ― 63〜66ページ

 ……同じだ…以前の自分と…
 いいわけを重ねて… 自分を正当化して… そしてまた自分に…

 「もうウソをつくな! 清麿!!!」

 (中略)

 「もう…もう考えるな!!! 走ってしまえ!!!」

 ――――  「おぉおおおおおおおおっ!!!!」

悩み足を止めようとしている清麿に、ガッシュが背を押す言葉を与え、そして"走って"いく清麿(達)の一連の場面。ページめくって叫んでるコマがメッチャ好きなのよ。自分にウソをつきそれを正当化する。そんな、自分自身で理解している"過ち"を変えていく、変わっていくその姿を描く。それが少年マンガだというのなら、これほどまでにソレを描き示した場面もありますまい。



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2005/01/11