感想・漫画編。
武装錬金 1巻
著者:和月伸宏
出版元:ジャンプコミックス
「あきらめの悪い……お前の命は昨夜、既に尽きているはずなんだ。 「喰いたきゃ喰え。ただし――まひろは返してもらう! 46〜47ページ カズキの武装錬金発動シーンより
このマンガ、個人的にはよっぽど正統的な少年マンガだと思うんですよね。悪役VS正義の味方の構図がハッキリしたバトル展開はあるし、ボーイミーツガールから始まるラブコメ要素はあるし、主人公が肉体的にもソレに増して精神的にも成長するストーリー展開はあるし。まぁヒロインの斗貴子さんが全開ぶっちぎりでスパルタンな性格だったり、出てくるキャラが片っ端から あと、この武装錬金に限らず和月さんの作品全般に感じてることなんですが。コマの割り方や描き文字の使い方など、そういう各種の効果・演出部分が地味に上手いなぁ、と。特に効果線なんかが。要所要所でチョコチョコと描き込んで使ってるから、コマの中にとても”動き”を感じられます。なんだろか、『技術による画力』があるっていうのかねぇ。まぁ単純に、そういう演出部分が私の好みってーことなんですが。 んで1巻の内容。設定解説が多かったりして多少のうざったさを感じたりもしますが、バトル内容の熱さや各キャラの動き方など、本作の魅力は確かに盛り込まれてて好感触。とりわけカズキは、優しさはあってもまだヒーローとしての強さに目覚めていない…けれど、その片鱗は少しずつ描かれていて、実際『今後』に期待できる主人公として良く描かれてると思います。んー、でもまぁ、やっぱこのマンガは2巻以降が本番かなぁ。ただ斗貴子さんだけは殺すだの斃すだのいったおっとこ前な発現が多く、1巻目にして早々に魅力マキシマムですが。………いやマジで、このヒト本当にヒロインか…? ( ̄▽ ̄;)
「オレももっと頑張らなきゃ。 「……大丈夫――――まだ時間はある……」 「オレ……」 ――もっと頑張らなきゃ! ―――ベロンチョ―――――グッ! あー…コレ、ぜんぜんセリフ中心じゃないからなぁ、上手く伝わるかなぁ。カズキが敵と遭遇するまでの一連の場面ですね。おまけページで作者自身「カズキの目をつり上げるだけで丸々1話かかった」とぼやいてるシーンですが。カズキが漠然と強くなろうと思ってから、もっと真剣に決意を固め、そして敵との遭遇で戦うことへの決心をつけるという、2段階描写から3段階へと変異していく流れ。多少ややこしい部分はあるけど、その決意への心の動きが少年マンガらしくて良いですな。 |